ペドロ・コスタ監督の骨をみた



ペドロ・コスタ

ポルトガルの映画監督ペドロ・コスタ監督の新作映画「何も変えてはならない」がもうすぐ上映開始されますが、それに先だって、過去の作品を上映する企画が、渋谷のユーロスペースで開催されているので、行ってみた。とりあえず見たのは、「骨」という作品。


貧しい街

貧民街とも呼べそうな雑居地区に暮らす男女の間に子供が生まれた。しかし、その男女ともに、その子供を育てるには、精神的にも経済的にも未熟。その子供をどう養うかを横目に眺めながら、しかし、自分自身も如何に生きるのかと言うことにすら悩ましいという男女を描いた作品。


まっすぐな視点

この作品、特にこれといった大きな事件は起きない展開。言葉少ない世界が淡々と進んでいく。そこに映し出される、人々の様子は、それは、正に日常でもある。例えば、このようなある意味では悲劇的な状況に対して、必死に頑張りながらも貧しさから抜け出せないことによる悲劇であると描くことはしないし、その貧しさをどこか例えば、政治的な批判に向けるわけでもない。そんなきれい事の感動に押し込もうとするような低俗な映画では、この作品はなくて、ただ、その様子をまっすぐな視線で描き出している。


その場所

例えば、その様子は、彼ら自身にも責任があることでもあるだろう。時に、行動は、あまりにも身勝手である。しかし、人が生きる上で、ある程度の身勝手は当然のことであろうし、身勝手でないからといって、なにかいいことがある分けでもない。ある意味では、ただ日常がある。それは、諦めの様子とも捉えられてしまうかもしれない。人は、そのある場所に行き着いて、その場所相応に生きる物なのかもしれない。


寡黙な作品

そう、この「骨」とは、そんな小さな日常が描かれたとても、寡黙な作品だと感じた。


関連リンク:
ユーロスペース | ペドロ・コスタ監督特集2010
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