リミッツ・オブ・コントロールは、メタ的にもリミッツ・オブ・コントロール
ジム・ジャームッシュ
知っている人は知っている映画監督ジム・ジャームッシュの最新作、リミッツ・オブ・コントロールを見てみた。イザック・ド・バンコレ
主演は、寡黙な男イザック・ド・バンコレ。そして、脇役として次々に登場しては、この男と接触する人々の配役もまた注目に値するところで、工藤夕貴やガエル・ガルシア・ベルナル、ビル・マーレイなど。意味を超えて
その主人公の男が、ある依頼に対して、スペインを旅しながら、目的の達成を目指す。それは、その次々に現れる人物と暗号を交わしながらの旅であり、徐々にその暗号を元に目的へと接近していく。しかし、その目的は、なかなか明確にはされない、いや、本質的な明確であるという状態に対しては、結局最後まで、よくわからない。そして、この男に接触し、暗号のようなものを伝える人々の特徴もまた特徴的であって、配役的には名前ではなくて単語が与えられていて、それぞれその単語が示す特徴をもち、それに関する話を告げ、最後には、暗号を伝達しているであろうマッチ箱を主人公と取り交わす。
謎のまま
しかし、そこで実際には、何が伝達されたのかは、まるで不明。しかし、最終的に、この男はその暗号をもとにして目的を果たす。しかし、状況としての果たした行為は分かるのだが、一体それが本来的な意味としてどういった目的であるのかなどなどは、全く謎のまま、そして、男は任務を終える。タイトルの意味するところとは
そうして、謎めいた気分のまま、映画を見終わることになる。一体何だったのだろうか。様々な場面には、様々な事を示唆しているかのようなモチーフや台詞が用意されている。ただ、それらはなんと無く示唆しているようであるだけで、それ以上ではない。それぞれは、なんと無く繋がっているけれど、何かを見つけ出すことは出来ない。コントロールの限界とは、この主人公にとってなのか、それとも、主人公の目的にとってなのか、それとも、映画監督にとってなのか、それとも、観客にとってなのか。主人公の寡黙さとは反対に、創造はどんどんとふくらんでいく。音楽
この映画のもう一つの注目ポイントは、音楽を BORIS が担当しているところ。このバンドは、日本のバンドで、ヘヴィーロックというのか、ドローンというのか、ドゥームというのかという感じのサウンドのバンドで、SUNN O)) などとも関連づけて語られるバンド。このバンドのサウンドがこの映画の要所要所で不思議な雰囲気を作りあげている。ここもまた、この映画の隠れた見所(聴き所)である。ということで
ってなところで、ミニシアター系超マイナー映画の中でも謎に陥るタイプのそれが好きな方のみにお薦めの映画です。
関連リンク:
映画「リミッツ・オブ・コントロール」公式サイトdLINKbRING.Labo.dicmulsearch.ジム・ジャームッシュ
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