HAKENの品格 AQUARIUS



HAKEN

日本語そのまま読みすると、なんだか、全く違うイメージになってしまう、イギリスのバンド、HAKEN(ヘイケンと読むはず)。その2010年、衝撃的なデビューアルバム AQUARIUS を聴いてみた。





コンセプト

ちょっとまだ、詳細を理解していないけれども、コンセプトアルバムになっている模様なアルバム。ジャケットは怪しげな雰囲気の中に人魚がだかれているというそれ。で、アルバムのコンセプトもその人魚の物語が語られている様子で、その誕生から・・・という物語。
ただ、このジャケが、なかなかダークなので、結構ヘヴィーなサウンドを持ったバンドではと想像させる。が、実はそうでもなかったりする。ちなみに、歌詞カード全面がこのジャケットと同様な怪しく美しいアートワークに飾られている。


サウンド

バンドは、ボーカル、ギター、キーボード、ギター&キーボード兼任、ドラム、ベースと6人組で、あと、ゲストでハープとかフルートとかが入っている。
現在までのプログレサウンドの様々な要素がいろいろと取り入れられているような印象のサウンドで、シリアスな演奏もあれば、結構コミカルなサウンドも取り入れていたりする。
ただ、基本路線は、ポップさを含んだプログレメタル。個人的な印象としては、ドイツの Sieges Even の音に近い印象がする、特にラストの曲のメロディアスなパートは。ただ、ベースのサウンドが似ていると言うだけで、曲構成の作り方なんかは、彼らの独自。デビューアルバムとは思えない完成度。


組み合わせ

とくに、音の組み合わせ方というのか、展開の意表の付き方というのか、これがとても面白い。基本、上記のメロディアスなプログレメタルなんだけれども、突然、コミカルなサウンドパートになったかと思うとジャズい感じになったり、そこから、キーボードを主体としたオーケストレーションで壮大なサウンド展開したりもする。
なので、古典的なプログレ展開とも言えるのだけれども、それが、古典的なプログレサウンドとは聞こえないところが、このバンドの面白いところ。
ちょっと誤解されそうだけれども、Flower Kingsプログレメタルになった感じかなって、やっぱりどうも微妙な表現だけれども。


印象が異なる

そんなサウンドなので、じっくり聞かずに流して聴いていると、同じバンドの音なのかなってさえ思えてくるところもあって、一枚でというか1曲で様々な印象を残してくれるようなそんなアルバム。
で、それだけ多彩な音なので、曲の方もまた長めで、10分前後の曲を主体に、ラストは、約16分の大作。


圧巻

圧巻は、やっぱり、ラストの大作。
その前の曲”SUN”がこれまた、美しいアコースティックなバラッドで、こういうバラッドを挟んでクライマックスな大作に行くというプログレ王道な展開を堂々と仕上げきっているのはすばらしい。
で、その大作”Clestial Elixir”。リリカルなエレピと美しいオーケストレーションで彩られたオープニングが、如何にもで、いい。そして、これに続く展開がまた、いいんです。美しすぎるサビがそこにあるのだけれども、そのサビを含むメインメロディーに対して、途中遊園地のようなサウンドを挟むというこの想像を超えたセンスを持ってきつつ、ってこの遊園地サウンドを挟むあたりが賛否両論な気もするけれども、似たようなサウンドばかりでは面白く無いのでこのセンスは賛成、で、しかし、そんな脱線から見事に(強引に)本線に戻ってくると、必殺なサビから最後のまとめに入っていくと。まぁ、この最後のまとめも”おーぉーおーぉー”かよってところは若干あるのだけれども。


予想以上

で、まぁ、ちょっと予想以上に良くて、しかも面白いアルバムだったので若干長文になりましたが、この作品いいです。決して、ジャケットのイメージにだまされないでください。メロディー重視タイプの構築派プログレメタルです。お薦め。




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Aquarius
発売元 : Sensory Records
発売日 : 2010-03-30 (1CD)
売上ランク : 65703 位 (AMAZON.co.jp)
¥ 1,841 在庫あり。
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