タルコフスキー映画祭にて、今度はストーカーを見た



ストーカー

イメージフォーラムで開催されているタルコフスキー映画祭にて、ソラリスに続いて、今度は、ストーカーを見てみました。
この作品も、ソラリス同様にSFの原作を元に映画化された作品。
ゾーンと呼ばれる立ち入り禁止の区域があり、そこの案内人ストーカーと、そこにあるという希望の叶う部屋へと行こうとする科学者および文学者のその部屋へ向かう行程を描いた作品。
ちなみに、ストーカーというと、あるイメージを浮かべるだろうけれども、そのイメージとは全くこの作品は関係ない。


ソラリスに似て

ソラリスは謎の湖が謎めいた影響を人に与えるという作品で、如何にもSFチックなというよりは、謎の物体を間に介することで、その謎に対抗しようとする人物の様子に何かを描き出そうとする作品であったけれども、このストーカーもプロットは違うものの、物語るベースの手法としては似た感じ。
今回のそれは、ゾーンと呼ばれる隕石が墜落した地域。そこには、謎の力学が働くようになっており、一方で、希望を叶える部屋があるという。
しかし、普通の人間ではそこに入り込むと、罠にはまり、たどり着けないどころか死の危険性さえもあるという。


ストーカー

しかし、その危険を回避させながら案内することが出来るのが、このストーカーという人物。そして、そのストーカーを頼って、部屋にたどり着こうとする科学者と文学者。
しかし、その意味不明な道のりに、困惑しいらだつその二人は、後半になればなるほど、議論はエスカレートしながら、そして、より哲学的な対話へと展開していく。
それは、科学と芸術がどちらが重要で意味を持つのかという議論に始まり、そして、部屋の前までたどり着くと、希望が叶うということは一体どういう事なのか、そもそも、その希望とは一体。心の奥底で思っていることと、表面的に思っていることの違いとは。


複雑化

しかし、この作品が、タルコフスキー監督の最高傑作ともいわれる所以は、その議論がそこだけに留まらないというころ。そして、その二人の男の決断に対して、今度はストーカーが思い悩むことになる。
人の目的とは何か。例えば、ストーカーの目的とは。生活苦の中に在りながらも、しかし、そのようなストーカー業を辞められない。この二人の議論に挟まれて、そして、その選択に対して、深い悩みに陥るストーカー。


難解

そう、これはとても難解な作品。とても、複雑な議論が為されている。それは、特に若き日に鑑賞すれば、とても刺激的だと思う。若干現実主義になり始めてしまった感性からすると、ここに議論されていることでは、しかし、十分ではないと感じてしまうのだけれども、そして、その複雑な議論には結局意味が無いのかもしれないとさえ思ってしまうのだけれども、しかし、この悩みをそのまま受け取ることの出来るような純粋な感性を取り戻してみたいとも思ったりする。
個人的は、絶賛するとまでは行かないのだけれども、特にいろいろと現実と理想に悩んでいる若い人々にはお薦めしたい作品。


音楽

ちなみに、このストーカーも音楽はエドゥアルド・アルテミエフが担当している。




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関連リンク:
dLINKbRING.Labo.dicmulsearch.アンドレイ・タルコフスキー
dLINKbRING.Labo.dicmulsearch.ストーカー (1979年の映画)
タルコフスキー映画祭2010
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