米国絶品コーラスなプログレメタラー Shadow Gallery の新作
Shadow Galley
1992年にデビューアルバムを発表しているので、気づけば、かなりのキャリアを持つバンドになっている米国のプログレ・メタルバンド Shadow Gallery。その7枚目ぐらいにあたる2009年新作、Degital Ghost がリリースになったので聴いてみた。R.I.P.
前作までボーカルをとっていた Mike Baker がその若さにもかかわらず心臓発作で亡くなったために、今作からは新しいボーカル、Brian Ashland が起用されている。とはいえ、声質は大きく変わるタイプではないので、サウンドイメージが大きく変わっているというところはない。ちょっと、Geoff Tate っぽい感じの声。いつも通り
私は、勝手にこのバンドを、Beach Boys メタルと密かによんでいるのだけれども、そう言いたくなるぐらいの抜群のコーラスワークを前面に押し出しているバンドで、この作品でもその要素は健在。Gary Warkamp のギタースタイルも変わらずで明快なサウンドで、メタルと言うよりもハードロックっぽい、軽めのギターリフと時々魅せる高速弾きで展開したり、ちょっとリリカルなエレピラインだとかも入ってきて、これまでの作品通りのサウンドタイプを維持している。ついでに、ドラムもなんか、どたどた感で閉まりきらず、パーカッシブな手業をあまり出さないところも相変わらずで、最早、むしろこの方がいいのかもと感じ始めるところ。あと、最近のミクスチャーバンドを聴きすぎているせいかもしれないけれども、サウンド的には、プログレ・メタルではあるけれども、古き良きメタルサウンドと感じ取れるフレーズも結構ある。
構成
アルバムの構成は、10分近い曲3曲と6分強4曲の7曲構成。なんとなく、コンセプトが通っているような印象もあるけれども、明確にコンセプトアルバムになっているわけではないと思う。この構成の間を、常に絡み合うボーカルラインを繋ぎながら展開していく。今時のバンドにあるような、いろいろとこねくり回したりデスってみたりな感じは全くなくて、明快なプログレ・メタル。適度にリズムチェンジや変拍子を入れてフックの効いたサウンドを展開しながら、ボーカルパートは複雑なコーラスワークでさわやかに決めて、インターパートは、ギターとキーボードを中心としたソロを前面に押し出したアンサンブルを持ってくる。
ここまでくると、彼らのお家芸という感じで、マンネリとかそういうのを超えて、これなんです Shadow Gallery はとそんな感じ。実際、ここまでの明快なソロパートと複雑なコーラスワークを使うバンドは意外と他にいないので、なかなかいい。
ライブは・・・
しかし、その活動期間にかかわらず、ライブは、私の知る限り一度もしたことがないのがまた彼らの事実。実際、アルバムもゲストミュージシャンが多く参加しているし、Gary Warkamp とBrent Allman が複数の楽器を担当していたりするし、おまけに、この複雑な演奏だけではなくてコーラスもこなさないといけないというところで、きっとライブ専用メンバーを集めないととてもじゃないけれど、再現出来ないのだろうと思う。でも、もしこのサウンドをライブで見事に再現してくれたらとても感動的だとは思うのだけれども、やはり、今回もないのだろうか・・・
ということで
なところで、いつの間にか時代が過ぎたが故にで、古き良きとも感じてしまう、プログレ・メタルサウンドを、しかし、依然として彼らのスタイルとして継続しているところは、最早脱帽するしかないというところ。多分、近頃よくあるプログレ・メタルの味濃いものを期待して、このバンドに手を出すと、ちょっと肩すかしかもしれない。むしろ、コーラス・ワークが好きなタイプとか、古き良きメタルが好きなタイプのほうが受け入れることが出来ると思う。
そう、特に随所で聴けるコーラスワークは、聞き慣れていないと笑ってしまいそうなほど絶品なので、コーラス好きには超おすすめ。
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