世界最高峰のバンド MAGMA のライブ

最高峰

まぁ、最高峰と書いてしまうと、いや、あのバンドのほうが、このバンドのほうがという意見を誰もが持ってしまうのは、承知の上ではあるのだけれども、やっぱり、そういったくなってしまうバンドの一つがフランスのジャズロックバンド MAGMA。その40周年記念ライブとしての来日公演の2008年5月27日渋谷はO-EASTでのライブに行ってきた。

すばらしい

現在作成途上の新曲からのスタートのライブは、結局約2時間半という十分な分量で終了。
まぁ、とにかくすばらしいというか、スゴイというか、圧倒されっぱなしのライブでした。

椅子席

で、まずは、会場構成から。ライブハウスでのライブなので、当初は、チケットをちゃんと確認もせずに、勝手にオールスタンディングのライブとおもっていたら、これは、MAGMAの客層もあってか、パイプ椅子が用意された着席ライブ。ただ、このパイプ椅子が、やはりパイプ椅子で学校時代の長すぎる始業式を思い出させる尻の痛さが、終盤に近づくにつれてじわじわと感じられた。

さて

しかし、そんな事はさておき、ライブだけれども、DVDでもそお凄さは感じていたのだけれども、やっぱりライブで見ると格別。本当、複雑な曲ばかりなのに、完璧な演奏とボーカル、コーラスワーク。入りのタイミングとかかなり難しそうなのに、バチッと隙間無くあわせているし、ボーカルも声がよれるようなことは当然皆無。この人たち、基礎的な技術の高さもあるのだろうけれども、どんだけ練習しているのだろうって思わせるほどのまさにプロフェッショナルな完璧さ。

リズム

で、MGAMAの曲って、CHRISTIAN VANDER のドラミングもあって、リズムが大きな比重をしめるというか、リズム主導の音楽と言ってもいいと思うのだけれども、そして、そこには明確なメロディがあるわけではなくて、むしろ、ボーカルによる響きが存在するというところ。これがある意味では呪術的な印象にも繋がったりするのだけれども、やはり、そういった呪術的なダ蹴れはなくて、しかも、トラッドなそれとも違うのは、リズムと音響がぎりぎりまで降りてきて、メロディとアンサンブルの0.5次くらい上位概念のところにあるようなサウンドに仕上げているところだと思う。だから、ある種のノリを感じる瞬間もあるし、ある種の抒情を感じる瞬間もある。ただ、しかし、それがただのノリや抒情で感情を煽るだけではないところが、MAGMA の MAGMA たる所以という気がする。

MAGMA だけの世界

そういう意味では、やっぱりこの世界感というか、この音楽というのは、MAGMA だけの世界であって、プログレとかジャズロックとかそういった言葉だけではとても表しきれないそんなバンドだってことは、まぁ、重々理解してはいたものの、改めて、こうやってライブで見てみて感じたところ。
だから、冒頭にあえて、世界最高峰と書いても見たのだけれども。

最高

とにかく、凄すぎて、言葉が出ないし、演奏中も、オーディエンスのほとんどが静止状態にもかかわらず、演奏（とても長い）が終了すると、鳴り止まぬ拍手になるわけです。
いや、ちょっと体調がいまいちで、ライブ行くのやめようかとさえ思っていたのだけれども。行って良かった。そして、たまにはやはりこういった独自の世界を堂々と表現する人たちを見て、普段の生活で取り囲まれているいわゆる常識的な価値観から解放されて、そして、エネルギーと自信を取り戻すということは重要な事だと改めて感じた次第です。