mogwai @ 新木場 Studio Coast

今年最初の

さて、私にとって、今年最初のライブは、グラスゴー出身のポストロックバンド、Mogwaiで、新木場、Studio Coast。2008/1/11。

寒い

寒空のした、整理番号の順番がくるのを待って、ようやくにして入場する。しっかりと埋まった会場。で、定刻にしっかりと始まって、まずは、前座のRmember Rmember から。

一人芸

このRmember Rmember については、全く前情報無しだったのだけれども、演奏は、一人でいろいろな楽器を操りながら、都度サンプリングしてループして音を重ねて音楽を作っていくと、まぁ、Robert Fripp のサウンドスケープがさらに多重的になったという感じ。音的には、mogwai の前座だけあって、アンビエントなふりをしながら、ヘヴィーなリフを使ったりして、乙野か実方で音のタイプを変化させていく感じ。多分、曲だけで聴いたらかなり落ち着いた印象が強い気がしたのだけれども、ライブだと、忙しなくいろいろな楽器を持ち替えながらサンプリングマシン（?）を操作しながら、時々ちょっとミスったりもしながらなので、曲に集中出来なくて、どうしても、その動作に若干どきどきしながら、何をどうやっているのだろうと邪念が浮かびながらで、まぁ、そこがライブのいいところと捉えるかどうかという気がした。30分ほど演奏して、そこからセット替え。

Remember Remember
by Remember Remember

発売元 : Rock Action

発売日 : 2008-12-15 (1CD)

売上ランク : 1768 位 (AMAZON.co.jp)

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本編

そして、mogwai 登場。強いドラミングを下支えに、時にキーボードがトラッドな雰囲気の柔らかいメロディーに支配された曲を出しながら、一方では、へヴィメタルなリフをと多用するサウンドを持ってきながら、アンビエントさとホワイトノイズにも似たギター音洪水までを見せつける。

メロディーとリズム

音楽の基本は、メロディーとリズムという表現があり得るけれども、ポストロック系のアーティストのサウンドは、その概念に取り組んでいるということではと、このライブを体験しながらふと思った。上記のような感じで、明確なメロディーが支配する曲ばかりではない構成で、さらに、リフトも何とも言えないギター音洪水で迫る曲もあって、単純にリズムとメロディーではない。で、よく考えると、リズムとメロディーって同じ物ではないかと、それが、周期性が高く比較的機械的な物がリズムと呼ばれていて、周期性が低くかつ比較的叙情的な物がメロディーと呼ばれているだけであって、それらが音であることには変わりはないと、つまり、多用されているギター音洪水は、丁度このリズムとメロディーの中間にあるような、周期的でかつ機械的でかつ叙情性も含まれる物と言うことなのかなと、いや、単純に音の洪水のようにも聞こえるあのサウンドがしかし、とてもすばらしく聞き取れるのは何故だろうかと考えていると、そう思ったんです。

拍子と音

で、つまりは、本来は、音楽は拍子と音で構成されているのであって、ある種の周期性に従った音がつまり音楽だと。で、真のホワイトノイズのみが音楽たり得なくて、それは、周期性がないため、拍子が無限大になるからとそんな事なのかもしれないと思ってみる。
ただ、それでもなお、リズムとメロディーと表現したくなるかというと、拍子と音というのは譜面的なデジタル表現であって、一方で感覚器が捉える印象で言うと、もしくは、記憶に残るという印象で言うと、リズムとメロディーであって、それは感覚器的なものと記憶的なものという対比なのかもしれない。そして、そこに割って入っているのが mogwai のすばらしき音楽だと。

それすぎました

というのは、話が随分と横道に逸れたのですが、ライブを体験しながら、なんと無く思ったことは、そんなところです。
そういったことはどうでもいいとして、感覚的な印象は、やっぱり、ライブっていいなってこと。叙情性と冷酷なリズム性が交錯しながら、一方で、轟音のギター音洪水に包まれていくというこの不思議な体験は、若干ノリながら、一方でじっくりと浸るという鑑賞の楽しみを与えてくれた。
基本的には、ボーカルレスのインストなのだけれども、かなり楽しめたライブ。