独特の愁い 石田徹也展を練馬区立美術館で見た



同年代

もう少し前の時代の人かと思っていたら、意外にも、私自身とそれほど違わない生年であった 石田徹也氏の展示会が、練馬区立美術館でやっているので見に行った。


夭折

31歳という若さで亡くなった画家。残した作品も多くはないけれども、その独特の作風が印象的。
作者自身ではと思わせるような生年が時に表情を失ったかのような様子で、様々な物に変身している作品が多くて、特に零戦?のような飛行機と一体となった人物の作品は、多くの人にとっても印象に残っているのではないだろうか。


古さ

同じ年代とは思わなかった理由の一つは絵に出てくる情景がとても古い物であると感じること。上記の零戦もそうだし、学校の様子に出てくる机などにも古さを感じる。ただ、一方では、確かに自分の子供時代もそのような様子だったかもしれない。つまり、時代の変化があまりにも早すぎると言うところがあるのかもしれない。


繊細さ

この生年の表情に代表される作品の印象は、その繊細さ。絵そのものも細かいところまで繊細に書き上げる精緻なリアリズムの作風であるのと同時に、そこに見え隠れするテーマも実に繊細に感じる。どこか、現代社会の閉塞感や、生きる事に感じる孤独のような物が強く表れていると感じる。そこには、ある種の共感を、(特に青春期に何らかの苦しみを抱えながら生きている人にとっては)感じさせる物がある一方で、悪い言い方をすると弱ささえも感じさせる繊細さがそこにある。
画風は全く異なる物の、そこにある感情は、難波田史男氏に感じられる感覚にも近しく感じさせられて、メインストリームの美術史とは異なる文脈の価値観が強い作家でもあると思う。


強くあること

現在も強烈な金融危機の中非常にれてつな世の中になってきている。私自身も、昔は、弱者に対する愛がなければななく、かつ、理不尽ではあってはならないと思っていたのだけれども、近頃は世の中は理不尽な物であるけれども、そこを生き抜くしかないと考えている。そういう観点からすると、この作品に感じるものはどこか弱々しすぎて、理不尽さを訴えて、同情や共感に繋げるよりも、そこを突っ切る力とは何かを提示すべきなのだと思う。


感情の発露

ただし、常に強くあることが困難であることも事実なので、そんなときにはこういった作品を思い浮かべると少しは何かが楽になるかもしれない。


関連リンク:
練馬区立美術館・展覧会のごあんない 石田徹也展
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