MOGWAI 新作　The Hawk Is Howling

mogwai

スコットランド出身の、ポストロックバンド、MOGWAI の新作 The Hawk Is Howling を聴いてみた。
静寂と音の洪水の対比が美しい、その音響世界は、Sigur Ros に似たアプローチでありながら、全く異なる世界観、とはいいつつ、その感情に直接訴えてくる音感覚は、まさにポストロックの特徴を共有しているとも言える。

静けさ

今回の作品は、どちらかというと、静けさが全体に漂っている。スローテンポの中に音が緩やかに漂うという印象が強く、音が上から押し迫ってくるというよりも、静かに押し寄せては引いていくという印象。
曲によっては、ポップな印象もするメロディアスなものもありで、キーボードサウンドが、時に電子的で、時にエレピ的で、それぞれの曲でとてもいい隠し味として効いているというのも印象的。また、それらの配置が単にメロディー的ではなくて、音響的に配置されて立体感を作り出していることで空間を生み出しており、その穏やかな世界が強く浮き上がってきている。
その音を押し広げるだけではなくて、広がりを持つ音の上に一音一音置いていくその隙間感がすばらしい。

何処までも広がる平面

Sigur Ros の Med Sud I Eyrum Vid Spilum Endalaust と、この MOGAWAI の The Hawk Is Howling を続けざまに聴くと、何とも言えない感情に支配されていく。特に、どちらの作品とも、後半にある何とも言えない寂獏感のある音世界が、溜まらない。