すばらしい老い方 養老訓



養老孟司

養老孟司氏の養老訓という本を読んでみた。なんとなく、疲れていたこともあって、たまには人生訓的な物でも読んでみようかという心境から。


年寄り向け?

で、読んでみたのだけれども、内容的には、年寄りがそれよりは少しは若い年寄りに苦言を呈してみたという感じの内容で、私からすると、特に凝れと行って価値を感じない内容。正直言って、ある個人が思っていることをただ書き連ねてみた系の本が昨今多いけれども、どれも、もうネタ切れというか、客観度の薄い、そんなあなたの個人的な意見、的な物は読みたくないし、対して価値はないですよといいたい気分。養老孟司氏の内容でもそうなのだから、他はもっとひどいのではと推測してしまう。

議論しない
感じとしては、世間に対してゆるく構えて、しゃにむに”こうあるべき”という生き方をするのではなくて、お互いの差異を認めながら、何となく社会に対して、我慢をして、どこかで少しだけ好きなことをして生きていけばいいと、そんな感じの内容と私には読めた。あと、やはり、昔は良かった的なところが大いに感じられるのが、やっぱり悲しいところ。暗黙のルールの時代がいいというような事も書かれているけれど、その暗黙のルールでは人と情報の流通が激しくなった現代では成り立たなくて、現在のルール主義に至っているはずなのに、今更、それを否定しようというのは、隠居するしか無いでしょうと思う。だから、どちらかというと、リタイヤメントな人たちへの生き方助言として捉えるべきな本なのだと思う。バリバリこの世の中を闊歩しようという人は、読んでも全く価値はないと思う。


考える

しかし、やっぱりこういった書籍が増えている現状は、なんとも悲しすぎる。本当に、今の人って、自分で考えることを放棄してしまっているのだと感じる。ある特定の視点に立って、その視点自体が持つ矛盾には目を向けずに、確定論的に物を語る文章を鵜呑みにするというのが、昨今の読書スタイルになってしまっていないだろうか?そうではなくて、今そこに置かれている立場さえも不明な状況において、さらに困難を見据えるような時に、人はどう行動するのだろうか、といった事を考えなければならないような、文章が、やはりもっと読まれるべきだと思う。そう思うと、よっぽど大人達の方が再教育の必要性があるのではないかと、ゆとり教育世代のことをとやかく言えるような生き方をしているだろうか?

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養老訓
発売元 : 新潮社
発売日 : 2007-11 (単行本)
売上ランク : 4056 位 (AMAZON.co.jp)
¥ 1,260 通常24時間以内に発送
評価平均 : /8人
70にして心の欲する所に従って矩を踰えず
養老孟司が説く、老人文化の大切さ
前から三列目の苦虫じいさん います、います。
やわらかい養老節
この歳で共感していいのかわからないが
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