デジタルアート的なポップサウンド：Steve Jannsen 初ソロ

弟

元JAPAN メンバーで、近頃は Nine Horses やあとは、直島のアートプロジェクトにおけるサウンドなどとアートよりな活動を深めている David Sylvian の弟である、Steve Jansen の初のソロアルバム、Slope が発売になっていたので聴いてみた。ちなみに、Nine Horses には、Steve Jansen も参加している。

アートサウンド

デジタル感満点のサウンドを組み合わせて、どこかゆるいポップサウンド的な世界をくみ上げているのが、このアルバムの特徴。部分的には、Nine Horses のサウンドにも近い。ボーカルの入る曲もあるけれど、歌い上げるというよりは、雰囲気を非常に大事にした歌い方。
メロディもメロディというよりは、リズムというほうがふさわしいパーカッシブなサウンド構成で、これは、Steve Jansen がドラマーであることにも由来するのかもしれない。そこに、若干オーケストレーションが入ったり、SE的なサウンドが混じったりするので、音としてはとてもおもしろ。

とても雰囲気あります

こういったサウンドをどう表現していいのかわからない。環境音楽と呼ぶにはリズムが立っているし、だけれども、テクノサウンドというには、少しゆるい。アヴァンギャルドというと、そこまでとんがった印象ではない。ポップスっぽいところもあるけれど、明らかに世界観が違う。
メディアアートなど、デジタル系アート作品で聴く事のあるサウンド世界に近くて、抽象感の漂うデジタルサウンド。
音を激しく出すようなパートはないので、思い切ってオーディオの音量を上げて、この音に包まれるようなイメージで鑑賞するのが心地よい。