放浪の天才画家山下清の作品を上野にて



1.山下清
放浪の天才画家だとか、日本のゴッホだとか、テレビドラマの影響もあって、ある意味では、日本で最も知られた画家でもあるであろう、山下清。知的な障害を持つ一方で、貼り絵を中心とした絵画に才能を発揮した人物である事は、説明するまでもないと思う。
そんな、山下清の展覧会が、上野の森美術館で開催されている。ただし、期間が短くて、2007/10/9まで、お早めに。


2.美術界
もともと、貼り絵という特性であるとか、一般への浸透が先んじた事もあって、美術界からはあまり評価されていない様子だけれども、そんな事関係なく、すばらしい作品はすばらしい。


3.異なる雰囲気
たまたま、私が訪れた10月1日が都民の日で、一部の学校が休みであった事もあるのかもしれないけれど、子供達がとても多い展覧会。そして、子供達だけではなくて、まさに老若男女という感じの展覧会は、やはり、他の展覧会ではあまり見られない光景で、それだけでも、山下清のすばらしさだと思う。


4.独特の何か
山下清作品には、他の作家の作品にはない何かがあって、よくわからないけれども、心の支えになる何かがあると感じる、特に、その昔は強く感じていた。山下清画集を何度眺め返した事だろうか。しかし、その絵には、何か作為のような物があるわけでもなく、コンセプトが組み込まれているわけでもない。だけれども、そこには、何かがあって。もしくは、何も無いからなのかもしれない。どこか、絶対的な絵画とでも言うのだろうか、その意味を詮索すること自体が意味をなさないようなそんな作品。このような作品の感覚は唯一無二といってもいいかもしれない。


5.今回の展示
今回の展示でも、有名な作品はほとんど展示されている。
山下清の作品は、貼り絵という事もあって、さらに、かつては、かなり何度も全国巡回展(しかも、通常の数カ所の美術館だけではなくて、地方のデパートでの展示を含めて)が行われていたこともあって、作品がかなりダメージを受けている。そんな事もあってか、ここ数年はあまり展示を見る機会が無かったので、今回の展示はなかなか貴重な機会。
ちなみに、一部の作品は修復されている。ただ、個人的な印象だと、修復されて綺麗になった作品には、どこか趣にかけるような気もした。


6.とっても短い展示
ただし、悲しい事に、展示期間が非常に短い。巡回展が行われるのか不明だけれども、ちょっと調べたところではヒットしなかったということは・・・。
精神的に疲れを感じているようであれば、なおさら、この展示を見る事を個人的には、お勧めする、何故か涙ぐんでしまうほどかもしれない。


関連リンク:
dLINKbRING.Art.上野の森美術館
−時代をあるいた放浪画家− 山下清展
dLINKbRING.Literature.山下 清
dLINKbRING.Labo.dicmulsearch.山下清
関連サーチ:
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