映像と音楽による前衛空間に浸るために "Life:坂本龍一+高谷史郎"



1.ICC
東京初台にあるNTTのメディアアート展示施設 ICC。そこで、現在開催中なのが、坂本龍一ダムタイプの創設メンバー高谷史郎によるコラボレート作品LIFEの展示。2007/9/15〜2007/11/4。


2.さてさて
2.0今
時々、脳みそは、なんらかの出来事に支配されてしまって、そして、ニュートラルな思考が困難になる事がある。どうやっても、自由になれない感情を引きずりながら、そんなままに、ICCにたどり着く。
2.1全体像
暗がりに、天井からつるされた9個のモニタが下を向いて、格子状に並ぶ。正確に言うと、モニタではなくて、水が入ったアクリル水槽、だから下を向いている。そして、各モニタを挟み込むように2個のスピーカーが設置されていて。そのモニタの下に仰向けに寝ころんで、下からモニタを眺めると、映像作品を、そして、その場所に向かっているスピーカーの音を鑑賞する事が出来る。勿論、そのような姿勢だけで鑑賞する必要はない、うろうろと歩きながら、下から覗き込むようにも出来るし、ただ、その空間に響き渡る音を味わうという手もあるし。
2.2水槽モニタ
水槽モニタは、ただ、水がたたえられているだけではなくて、そこに、時々水のしずくが投げかかられて、水面を揺らす、そして、時々、水蒸気が水面を覆う。だから、そこに映し出される映像は、立体感を持つし、若干のゆがみを加えられることもある、そして、鑑賞者に届く、さらに、地面まで届いた光は、その水面に揺れを床に映し出す。
2.3前衛的空間
抽象的な音、抽象的な映像。常に変化を続けるそれらは、始まりが何処であるという事もなくて、終わりが何処という事もなくて。時に、ニュースの映像のようであり、時に、微生物のようでもあり、時に、言葉であり、時に、地球のようでもあり。時に、オーケストラの不協和音のようであり、時に、Pink Floyd 的なシンセの重みであったり、時に、工場の音のようであったり、時に民族的な印象があったり。
2.4Life
前衛空間。Life とは。変化し続ける物、有機的な物、予測不可能な物、様々な物が多層的に、同時間的に蠢く事。
確かに、大きくみれば、Lifeは、終わる事がないかもしれないし、始まりも不明確であもあるし、しかし、個人から見ると、Lifeはやがて終わる物でもある。始まりがあって、そして、終わりがある。
2.5生命を
そして、ここで、このようにして、Lfeについて、改めて感じ直しているのだろか、それとも、このようにして、Lifeから実は逃避しているのだろうか。一体何が現実なのか。
しかし、脳を支配していた物は、少なくとも、この鑑賞の空間においては、どこかへと隠蔽されて、そして、脳の中がすっきりとした感覚に包まれていく。それは逃避なのかもしれないし、そうでもないのかもしれないけれど。
2.6何か
これが一体何を意味しているのかは、はっきり言って、説明困難だし、わからない。そこには、きっと、製作者の履歴が影響しているし、鑑賞者の履歴も影響する、そして、世の中の履歴も影響する。ただ、そこにあるのは、何となくという感覚だけ。しかし、この空間には、その他では感じるこの出来ない何かが、あって、そこに浸る事が出来る。
2.7好きである事
いずれにせよ、この空間が心地よく感じた私にとっては、やはり、アートというか表現というかは、そういった価値を持つ物だろうということを再認識した。好きな物とは、よくわからないけれど、そういうものなのだろう。


3.オープンスペース
上記の展示は有料だけれども、オープンスペースとして公開されている展示は全て無料で鑑賞可能(坂本龍一、高谷史郎とは無関係)。
で、この展示が、体感型メディアアートで結構面白い。アートという堅苦しさとか、アートという哲学性なんてことは一切気にすることなく、ただ、何らかの入力に対するレスポンスとして、楽しむ事が出来る。
こちらも結構お勧め。


関連リンク:
ICC Online | LIFE - fluid, invisible, inaudible ...
dLINKbRING.Art.NTTインターコミュニケーション・センターICC
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