国のない男



1.ヴォネガット
2007年4月に亡くなった作家、カート・ヴォネガット詳しくはこちらを参照)の最後のエッセイ、「国のない男」を読む。
ちなみに、この作家は結構知られたSF作家らしいのですが、私はこの本を手に取るまでは知りませんでした。帯にも文章を書いている爆笑問題太田光は大ファンらしい。


2.確信的無神論
である、彼らしい文章と言うべきなのだろうか。もしくは、そのタイトル通りというべきなのだろうか、何者にも束縛されない、限界の主観的立場での意見が目立つところが、批判的立場として、そして、決定的に正しい意見であることとして、心地よい文章である。
だから、アメリカも避難するし、新しいテクノロジーも拒否する。ただし、個人的な感想からすると、どこか外野の意見にしか思えないところもある。確かに、そのようなスタンスを守り続ける事が出来るならば、それはすばらしい事だと思うのだけれども、そればかりではないと思う。
私の個人的な好みからすると、そういったどこか遠くから眺めた意見を持ちながらも、現実とのせん断力に悩みながら、必死に何かを取り出そうとするような、そんな文章の方が好きで、こういった外野感はあまり好みではない。言うなれば、私は多分、非確信的無神論者なのだと思う。たまたま、神のような物、宗教のような物、地域慣習のような物、そういった人間の感情の基盤に構成され、そのことにより善悪を抜きにして、感情を安定させる事に役立つ確信、を私自身が構成することが出来ずに生きてきたが故なのだと思うのだけれど、そういった感性かすると、無神論者でありながらも確信的である時点で、確信的であって、何処にもよりどころがないながらも何かを導こうとする発想を好む私とは、大きく違うのだろうということか。
あんまりそういったジャンル分け的なところに突っかかるのも本論をはずすので、そのことを元に語るべきではないかもしれないけれど、要は、確かに面白い意見だし、警鐘的ではあるけれども、つっこみがあまりにも足りないというのが、それは彼自身のというよりは、エッセイという形態もの問題かもしれない。
すぐに読む終わってしまうような本なので、購入するよりはどこかで借りるほうがいいと思う。



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国のない男
発売日 : 2007-07-25 (単行本)
売上ランク : 191 位 (AMAZON.co.jp)
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