ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド:シネマライズ
1.結合体双生児
結合体双生児を中心とした、ロックバンド・ The BangBang のその軌跡を描くドキュメンタリー作品。音楽プロデューサーに見いだされ、その結合体双生児という特異性を売りにバンドとして売り出されることになった兄弟。しかし・・・・。
2.感情
そこにある悲劇性によって、例えば、当時の音楽業界に対する思いだとか、特異な存在の生きることの難しさなども感じながら、少し複雑な思いが残る。その悲劇的な展開における、兄弟およびそれに関わった人たちの感情は、とても心の深いところに響いてくる。成功に向けて必死になっていただけなのか。確かに、人間の負の側面を見るようではあるけれど、その負の部分を非難したくなる印象は残らなかった。ただ、必死に生きた兄弟の感情がとても力強く、切なく感じられた。
3.自分の中の他人
彼らの描いた詩の中に在る言葉もそうだし、彼ら自身の離れることの出来ない一人と二人。そこにある、自分と他人、そしてもう一人。音楽的には、パンキッシュなサウンドでありながら、どこか陰を持つ詩。サントラを買おうかと思ったけれど、なんとなく音楽を聴くと切なくなりそうで、買えなかった。
とても複雑な感情が渦巻いていて、一度見ると何かが感情の中に残ってくる、とてもいい映画だと思う。
関連リンク:
ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド
CINEMA RISE MOVIE INFO.
関連サーチ:
ブラザー オブ ザ ヘッド(AMAZON.co.jp)
ブラザー オブ ザ ヘッド(Google)
ブラザー オブ ザ ヘッド(Technorati.jp)
Powered BY AmazoRogi
4.音楽ドキュメンタリーいろいろ
ちなみに、こういった、当時の映像と現在の関係者へのインタビューを中心に変種された音楽ドキュメンタリー作品は、時々公開されている。そのいくつかを紹介してみる。
4.1 クラウス・ノミ
ニューウェイブ、グラムロックのころに登場したクラウス・ノミというオペラチックに高音で歌う宇宙から来た人として一時代を作った人物のドキュメンタリー。この作品も悲劇的な展開であり、もの悲しさが残る作品。
涙は温かく流れて、すぐに冷たくなる。
★ノミの映像が少なすぎる★
80年代ニューウェイヴの徒花。当時のUSアングラ・シーンの空気が伝わってくる。
He came from outer space
4.2 モーグ博士
Moog というアナログシンセサイザーは特にプログレ系好きにとっては、メロトロンと並んで、重要なキーボード。このアナログシンセを開発したMoog博士のドキュメンタリー。その開発に関わる話しと、その Moog を使用したアーティストのインタビューやライブ映像およびインタビューによる構成。キーボードをギターと同等の攻撃的楽器にした立役者。
4.3 テルミン
その モーグ博士が、影響を受けて、自らの手でも作ったりもしたのが、テルミン。静電気を使っていて、さわることなく手を近づけるだけで音が出る楽器。映画の効果音だとか、ハードロック系バンドの音響などでも使用されている。その開発者のテルミン博士の半生を追ったドキュメンタリー。テルミン以外にもいろいろと面白い電子楽器が登場する。