Spock's Beard : Spock's Beard



1.新体制
さて、Neal Morse脱退以降の新体制Spock's Beardとしては、3枚目のアルバムになるのが今作品。気合いの入り方が違うというのか、タイトルもバンド名そのままつけて、アートワークもバンドのロゴ一発にその背景をフラクタル画像をベースにしたサイケデリックなものとして、今まで印象を一新使用という気合いを感じる。


2.新しい
やはり、Neal脱退後の最大の課題は、Neal在籍時には、彼がほとんどのソングライティングを行っていたが故に、彼のメロディがそのままSpock's Beard色になっていて、その色を失った後に何を提示できるかであった。メンバーはNeal抜きの4人構成なのだが、ソングライターサポートとして、Rich Mouser, John Boegehold, Stan Ausmusを迎えており、メンバーによる楽曲+彼らによる楽曲という構成に。これは、Neal脱退後変わらず今作も引き続いている。
Feel Euphoria,Octaneあたりも、ロック色を強めて、Neal時代とは違う音傾向に進んでいたのだが、メンバーのみならず聴く側からもきっとなかなかNeal印象が抜けていなかったがために、どうもしっくり来ないという感想に終わってしまっていたのが私の感じるところ。しかし、このアルバムは違う。


3.何が
まず、単純に全体の出来がいい。全体の疾走感だとか、ハードロック色を強めたところは新制Spock'sサウンドなのだけれども、おそらく今作品で最も良いのがキーボードサウンド。Nealが兼任していて、Ryo Okumotoと分け合っていたキーボードパートだけれども、Ryoはどちらかというとメロディーというより、疾走感を出すためのサウンドという印象があって、Neal後にはそのメロディが欠けていた印象が残ったのだが、この作品では、キーボードのメロディがかなり幅を拡げていて、これが全体の印象を強めている。やはり、Nealがいなくても、Spock'sの音は、キーボードメロディにあって、キーボードメロディがコーラスと重なるととても美しくなるというところだと思う。なので、Neal時のSpock'sのかおりが良い意味で残りながらも、新しく打ち出しているハードロック色に包まれていて、面白い音に仕上がっている。2曲目のインスト、"Skeltons at the Feast"なんか、ちょっとかっこよすぎる。


4.大作とロック
特に四つのパートからなる大作"As far as the mind can see"は圧巻の出来。これは、完全に新たなSpock'sの誕生といっていい作品。口ずさみやすいメロディもあれば、ハードな演奏もありで、すばらしい。
それから、最後を飾る比較的ストレートなロックナンバー"Rearranged"は、Spock'sの新しい音といえる。Nick D'Virgilioのドラミングは力強いと同時に手数が多いし、Ryo Okumotoのキーボードは先述の通り多彩、Alan Morseのギターもひねられた音とエッジの効いた音がうまくRyoのキーボードと合っている、そして、Dave Merosのベースがこれが底辺を完全に支えていて、ロックナンバーを見事に疾走させている。


5.是非とも
私自身も、Spock's Beardはもう期待薄かなと思っていて、手を出していなかったが、この作品はいい。ので、これはとてもお勧め。Neal色を期待するとだめだけれども、質の高いプログレハードという意味では、これは十分に満足行く作品になっていると思う。


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Spock's Beard
発売元 : InsideOut Music
発売日 : 2006-11-21 (1CD)
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