Spock's Beard の新作 X



Spock's Beard

Spock's Beard は、アメリカのプログレバンドで、存在が消えかけていたプログレという音楽ジャンルが再び盛り返し始めるきっかけになったバンドといってもいいようなバンドで、現代プログレの英雄バンドの一つ。
そんな、Spock's Beard は、その中心メンバーであった Neal Morse の脱退と共にサウンド傾向をかえつつ、さらに人気としても、徐々に低迷しつつあるという状況にあるバンド。
とはいいつつも、活動はしっかりと続けていて、2010年新作 X がリリースされたので聴いてみた。


プリオーダー

そんな人気の低迷ぶりもあってなのか、今回の新作は、Marillion 方式のプリオーダーシステムをとってのリリース。ちなみに、Tシャツ付きなどいろいろなバージョンで現在も彼らのサイトから購入することが出来る。


ポップロック

Neal Morse 脱退以降は、Neal Morse が持っていた音楽スタイルであるポップな楽しさに複雑さと多様な音楽性が混ざり合った独特のプログレサウンドは影を潜めて、そのかわりに、ハードロック色の強いポップロックサウンドになっている。というところで、今作でもその傾向は継承している。


独自世界

で、そのサウンドは、もはやプログレとか、そういう区分けでの表現も難しいような、独自の世界に入りつつある印象。ベーシックにあるメロディは、どちらかというと、アメリカンプログレハードというのか、TOTOとかそのあたりの音に近い印象。そのサウンドに対して、味わいとして付け加わるのは、日本人キーボディスト奥本亮による、キーボードサウンド。シンセ系の分厚いサウンドと、一方でリリカルさも感じるようなエレピっぽいサウンドを使い分けながら、ハードポップなサウンドに色づけを行っている。
このあたりのサウンドは、どこかにありそうで、あまりないタイプのサウンドという気がする。ただ、Neal Morse の持っているメロディーセンスとは違って、とっつきやすさというのか一瞬で心を掴んでしまうようなそういったキラーサウンドではない。なので、万人には支持されにくいかもしれない。


長尺の曲

長尺の曲も結構あって、組曲形式になっていたりもする。で、そんな長尺の曲も構成としてはしっかりしているので、悪くは無いと思うし、随所に見せ場は感じる。
ただし、やっぱり、これ、このメロディとか曲構成というのは独特な才能が必要なのだろうなと思わせるのは、それらは悪くは無いのだけれども、こう、ぐっと心までわしづかみにされてしまうようなそんな要素が無いと感じる。
部分部分のメロディーや展開は聴くべきところは十分あるのだけれども。


もう一歩

というところで、まぁ、Spock's Beard というと、どうしても、過去にすばらしい作品群があるので、それらとどうしても比較してしまうが故に、ハードルが上がってしまうところもあるのだけれども、もう一歩何か欲しいと思ってしまうようなそんな作品というのが個人的な印象。
どっちかというと、プログレハードなサウンドが好きな人のほうが好むのかもしれないと思って見る。


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