ICC:アートのオープンソース化は可能か?



1.またネットより
そんなところで、今回のイベントもネット越しに聴く。ネットから聴くことの良さも結構あって、ネットの話題が参照されると即検索して、そのサイトをチェックできるというところ。ついでに、検索しなくてもいいように、話題になった内容のリンクが配信されるような仕組みって作れないものだろうか、と思ってみたり。


2.今回は
アートのオープンソース化について、で、ここでも少し前に”Art2.0”ってなタイトルでいろいろと書いてみたけれど、やはり、みんな思うことは一緒というか、いろいろといわれる”web2.0”だけど、その意味って単にネット上のトレンド以上に、多くの人に多くの可能性を感じさせるものでもあるのを感じる。


3.パネリスト
以下のようなメンバーでの展開


椿昇(現代アーティスト)
楠見清(アート・ストラテジスト)
山形浩生(翻訳家/評論家)
遠藤拓己(作曲家/メディア・アーティスト)
ドミニク・チェン(ICC研究員)
ICC


4.mixiとかはてなとか2chとか
何かとちょっとしたところで参照されるネットの話題が、mixiにいったりはてなにいったり2chになったりというところが、なんというか、共通項な感じで、さらにその共通項が何かと感じると少し面白い。で、ついでに、パネリストに関連するサイトのリンクを以下に。


椿昇
Radikal Dialogue
I Get Around The Media 楠見清のメディア回游 id:donburaco
YAMAGATA Hiroo Official Japanese Page
Project Phonethica:遠藤拓己


5.中身
タイトルからも明らかなのように、昨今のコンピュータの世界でのオープンソースの流れをアートの中に含めて考えるとどうなるかという、ICCのテーマである”OPEN”に関連させた話題。芸術の世界との関連性でいうとまずフルクサスがあって、そこにオープンソース的なベースがあるが、その概念を発展させていくということではと、いわばフルクサス2.0だと、という話からはじまって、あとは、現在のいくつかのプロジェクトの話。オープンソースという主題との関連性の薄いところもあったので、濃いところだけ絞り込むと・・・。
5.1スコア
フルクサスがらみで、スコアという概念で、これは、作品そのものではなくてパフォーマンスの行為のやり方(プログラム)を提示して、それをいかに演技するかは演技者にゆだねられているもの。これは、音楽の楽譜であったり、演劇の戯曲に相当するものと言っていいと思う。で、このスコアの部分をオープンソース的にしてしまえば、いいのではと、それをベースに人々に自由の編集させて、その結果をいかに扱うかというところまでが作品となるというところ。
5.2プラットフォーム
で、そこから延長して考えるといわば、プラットフォームをアーティストが提示するという風に表現を変えることが出来る。つまり、プログラムのベース。ただ、コンピュータの世界と異なるのは、そのプラットフォームを操作することによって出力されるものは、何を目的としたものかははっきりしないもの。その結果がそのまま芸術作品にもなりうるし、それを再編集することで作品になるという場合もある、さらには、その操作の過程で、鑑賞者の入力に対して、鑑賞者が予想し得ないレスポンスを提示することで、そのことによって鑑賞者に何らかの影響を与えるという場合もありうる。
5.3やっぱりネット
あとは、それをネットに公開することによって、今までの芸術ではある範囲に限られていた作品が、誰でもどこからでもアクセスできるという環境にもなる。
5.4もう少し考えると
ここまでの話を総合して考えてみると、結局どんどん次元を上昇させていく行為に変わっていていいるのではないかと、つまりは、どんどんメタ的になると。もしくは、どんどんと解放されていくと。つまり、作品の最終形がまさに作品であったのが、コンセプトアートなどによって、作品そのものを考察することが作品になったり、でさらに、作品を生み出す行為を行うための仕組みをプラットフォームとして提示することが作品、になっていくようになるというところで。これは、メディアアートであることの特徴かもしれないとも思う。極端に言えば、普通の絵画ではそのプラットフォームが絵の具とかキャンバスであるけれど、それを巧みに操作しきることの出来る人が芸術家であったけれど、それが抽象画などとどんどんと解放されていく訳だが、それが絵画からも解放されて、その絵の具からも離れて、そのプラットフォーム自体をいじり始めると。それは、確かにネット分野との関連性も感じられて、コンピュータを所有することなど考えることすら出来なかった時代から、パソコンが生まれて、ネットが繋がって、それがオープンソースになっていくと。そのような相似性なんかも見えてくる。
5.5ちょっと儲かる
あと、少し話題になったところで、クリエイティブコモンズなどは、著作権を廃止せよではなくて、その扱い方の縛りを少し軽くするというものだという指摘でこれがたしかに重要なところかもしれない。あと、二項対立で考えがちな生物である人間だが、そうするべきではなくて、フリーではあるけれど、フリーの裏にはある種の商業的な戦略が隠れている場合もあるという指摘もとても面白くて、その延長戦で考えると、例えば、ブログやネットのいくつかの情報についても、確かに無償だけれども、アフィリエイトによって、ちょっと儲かる可能性があるということが、もしくは、オープンソースでもそれを行うことで少し評価されるかもしれない(どこかで自慢できるかもしれない)というところが製作者というか提供者のモティベーションの一端として必ずあると思う。これって、結構重要なことかもしれない。と考えると、メディアアートでうまく参加者を巻き込むには、そんなところを利用する仕組みが必要な場合もあるかも。


6.ポータル
あと、全体の話から感じたのは、いろいろと事例紹介が出てくるけれど、それなら、ICCのサイトもメディアアートポータル的な機能を持たせるとか、あとは、RSSなんかを利用して、それらの情報の流通をうまくする仕組みを作るとかしてくれないかなとも思ってみる。まぁ、自分でがんばって作ってみるという手もあるかもしれないが。


関連リンク:
Radikal Dialogue Project
Project Phonethica
ICC Online
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