そしてまた、虜になる Coheed and Cambria VAXIS II

Coheed and Cambria

どういうジャンルに分けたらいいのかよくわからないが、エモいサウンドと壮大なSFコンセプトで、
独自のメタル世界を作り上げ続ける Coheed and Cambria
その新作 VAXIS II A Window of the Waking Mind がリリースされたので聞いてみた。

VAXIS

このバンドの甘いサウンドと激しいリフ、そして、複雑な世界観にずっと虜になっているが、
しかし、正直なところ、彼らが描いているSF世界にはついていけていない。
この作品もVAXISシリーズの第2作目に当たる位置づけだが、それがどうなっているのかよくわかっていない。
とは言うものの、ここでも、また力強く新しい音世界が繰り広げられている。

引き出しの多さ

それにしても、彼らの引き出しの多さには恐れ入る。
ベースのサウンドの味わいは維持したままであるが、世界の描き方は変化に富む。
この作品では、全体を取りまとめる音は実にシンフォニック。
壮大で、大きな期待を抱かせるオープニングと同じテーマによるエンディングに覆われているが、
その間に挟まれるサウンドは、甘いバラッドなロックチューンから、ダンサブルなサウンド使いもはさみ、
アルバム全体が起伏に飛んで、上記のように実物語は理解できないものの、物語は音から感じ取れてくる。

キラー

そして、やはり彼らの最大の武器は、キラーチューン。
風貌とは似つかわしくない Claudio Sanchez の甘いトーンによる、歌い上げられるエモいサウンドは、
はまらないでいられない。
懐かしさも感じさせつつも、古臭くない、レイテストなサウンド
理屈が吹っ飛ぶほどのサビメロディーには、虜になるしかない。

完成度

すでに書いたところもあるが、アルバム全体も見事にまとめられているので、
曲曲の良さを持ちながらも、アルバム全体としても、素晴らしく完成度が高い。
これは、今年のベストアルバムの一つに必ず上がるだろう傑作。
全メタルファンにおすすめです。


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