Beardfish の音世界は新作でさらに世界が広がっていた



Beardfish

スウェーデンプログレバンド、Beardfish。ヴィンテージ的な音作りをするタイプの現代プログレバンドだけれども、その2012年新作 The Void がリリースされたので、聴いてみた。


広がる

なんとなく、イメージでは、ヴィンテージなプログレサウンドでありながら、どちらかというとソフトなロックという印象だったのだけれども、今作では、ハードな印象が強い。メタルよりというのとはまた少し違うのだけれども、激しさや荒さが前面に出ているという印象。その意味で、彼ら自身の世界をさらに広げたという印象がする。


面白い

その広がった音世界がとても面白くて、グロウルを使う楽曲まで出てきたりするなど、意外性もありながらの展開がとても興味深い。
また、懐古趣味的にはならないヴィンテージな音感がとてもよくて、70年代の雰囲気にをもった楽曲が、しかし、新鮮に響き渡っている。


NOTE

クライマックスの一つは、NOTEと題された15分程度の楽曲か。曲内曲として、アルバムタイトル「The Void」がつけられた楽曲を含んでもいる。
この曲は、前半のヘヴィーな印象の楽曲とは異なり、軽快な印象もする楽曲。ボーカルも、ハイトーンを基本に歌う。また、曲調もオルガンの音が印象的で、あえて疾走させないミドルテンポなサウンドにより作られる落ち着いた雰囲気が、これまた70年代の雰囲気を醸し出している。
また、後半になると今度はリリカルなピアノにより少し異なる雰囲気な展開が訪れて、コミカルなアップテンポへの転調を間に挟み、さらに、ギターのロングトーンと絡み合いながら楽曲はまとめへと向かう。
終盤は再び疾走感を増して今度は、シンセなキーボードワークとタイトなドラミングが印象的なパートへと展開。
この全体構成はプログレ組曲の王道な感じの展開だけれども、それが見事に作り上げられていて、思わずうなってしまう。


コンセプト

Introduction から始まる楽曲は、いくつかの曲の歌詞に VOID という言葉が使われているので、コンセプトアルバム的な構成になっているのかもしれない。ちょっと、ちゃんと歌詞を読み込んでいないからはっきりそうといいきれないのだけれども、そんな感じ。


いいね

このバンドのアルバムは今まで何回か聴いたのだけれども、それほど大きな印象を受けなかった。それらに比べて、今回の作品 The Void は結構印象に残るそれで、個人的には彼らの中では最もいい作品なのではないかと思う。


関連リンク:
BEARDFISHBAND.COM ― Home of the Swedish Progressive Rock Band Beardfish
関連サーチ:
The Void(AMAZON.co.jp)
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Void: Limited
発売元 : EMI / Cent
発売日 : 2012-09-04 (1CD)
売上ランク : 176759 位 (AMAZON.co.jp)
¥ 2,816 在庫あり。
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