プログレスパーグループ Transatlantic のライブDVDはやっぱり最高です



Transatlantic

現代プログレ界では最高峰といってもいいだろうスーパーグループ Transatlantic。このバンドは、元 Spock's Beard の Neal Morse、元 Dream Theater の Mike Portnoy、Flower KingsRoine Stolt そして、Marillion の Pete Trewavas によるサイドプロジェクト。一時期、Neal Morse の都合で、活動を中断していたのだけれども、2009年に The Whirlwind で活動再開。そして、そのアルバムのリリースに伴って、ライブも行った。そんなライブのなかから、ロンドンでのライブの様子を納めたのが、今回紹介するDVD Whirld Tour 2010: Live in London。
なお、ライブでは、上記のメンバーに加えて、さらに、Pain of Salvation の Daniel Gildenlow がサポートで加わっている。





長尺

で、早速そのDVDの内容ですが、彼らの最新作、The Whirlwind まるまる再現に加えて、過去の作品を演奏。で、元々、長尺な楽曲だらけなのに加えて、新作アルバムは、1枚で1曲なので、いきなり、80分間休みななしで The Whirlwind の演奏が始まります。そして、10分未満の曲2曲を間に挟みながら、30分近い曲が3曲がつづくということで、3時間以上にわたるライブ演奏が、繰り広げられています。曲数で言うと、たかが6曲なのだけれども。


うますぎる

そして、その分量的な充実度もさることながら、演奏がこれまた、期待通りの濃密さ。4人の強者に加えて、ギター、キーボード、パーカッション、ボーカルと活躍しまくる、Daniel Gildenlow がいるわけですから、本当にすばらしい演奏。
基本路線は、アルバムどおりに、しっかり再現しきるスタイルの演奏。若干脱線するところもあるけれども、構築美の要素が強い。
そして、それを、ほぼ完璧に演奏しきるのだから、すごすぎる。さらには、その5人のうち、3人は自分のバンドではメインボーカルを務めているのに加えて、リズム隊の二人も歌えるので、5人全員が歌える。基本は、Neal Morse が歌って、時々、Roine Stolt が歌ってという展開だけれども、所々、各メンバーでボーカルを引き渡したり、コーラスワークをみせたりするので、演奏だけではなく、ボーカルワークも見応えがある。


楽曲がいい

そして、さらにそれに加えて、楽曲がすばらしい。Neal と Roine というすばらしいソングライターを基本に、このメンツで作られた曲は、アクのないポジティブな雰囲気の充満するポップでだけれどもひねりのきいた飽きのこないプログレサウンドなのだけれども、これが、ライブで、さらに引き立っている。その曲の良さを再認識した次第でもある。
特に、私自身は、デビューアルバムで衝撃を受けた All of the above がやはり好き。"Innocence and undying love will reign" のあたりは、歌詞もメロディーも本当に感動的。


めりはり

そして、緩急のめりはりもしっかりとしているのがこのバンドのもう一つの魅力。Mike の手数の多いドラミングと Pete の軽快なベースラインにドライブされて、その上を、自由に Roine の繊細なギターフレーズと Neal のきらびやかなキーボードワーク、そして、Daniel の様々な楽器のよる味付けがのっかって、非常に賑やかなサウンドが基本のラインなのだけれども、短い楽曲 "We all need some light" と "Bridge across forever" などでは、しっとりとしたバラッドを聴かせるし、もちろん、長尺の曲も、曲の展開の中で動と静を行き来するというそのメリハリ。なので、3時間超のライブといえども、全く飽きない。


Gildenlow

それと、結構意外だったのは、Daniel Gildenlow のテンションの高さ。ボーカルを含めた演奏面での活躍は、予想通りだけれども、あれほどテンション高く演奏しているとは思わなかった。4人が前に横一列に並んでいて、その後ろに、1人 Daniel がいるのだけれども、うしろで、飛び跳ねたり、激しく叫んでいるかと思うと、曲によっては、そのまま、前に出てきて演奏したりもするという。前回のライブのDVDでは、そんな感じではなかったと思うのだけれども、その積極ぶりが、しかし、とてもいいアクセント。


絶賛

ということで、とにかく、本当にすばらしすぎる。この演奏は、本当に生で見たい。演奏、すごすぎでしょう。そして、馬鹿テク鑑賞ってのも面白いけれども、このバンドは、先述の通り、それだけではなくて、美しい楽曲も楽しめるのだから。とっても見たい。来日してほしいけど、無理なんだろうな、きっと。
しかし、とにかく、絶賛ですよ。プログレファンなら必携です、このDVD。そして、できることなら、もっと多くのロックファンにこのバンドのことを知ってもらいたいとも思う。このバンドをまだ聴いたことがないという人がいれば、ベスト盤的な意味で、このライブ盤から入ってみるというのもいいかもしれない。


ボーナス

あと、本編以外のボーナス映像。インタビューは、まだ見ていないので、なんともだけれども、注目は、High Voltage Festival からの映像で、なんと、Steve Hackett がゲスト参加して演奏された The Return of the Giant Hogweed。これもまた、貴重な映像です。


圧巻

ということで、分量的にも、テクニック的にも、楽曲的にも、メンツ的にも圧巻のライブDVD。存分に堪能出来ます。


関連リンク:
Transatlantic - The Official Site
dLINKbRING.Music.Transatlantic
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Whirld Tour 2010: Live in London
発売元 : Metal Blade
発売日 : 2010-10-25 (5CD)
売上ランク : 1219 位 (AMAZON.co.jp)
¥ 3,858 在庫あり。
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