ポーランドのプログレメタラー Riverside のDVD

Riverside

ポーランドの正統派プログレメタルバンド、Riverside のDVDがリリースされていたので入手してみた、タイトルは、Reality Dream。
Riverside の音楽スタイルは、正に、正統派プログレメタルという感じで、構築美やテクニカルな演奏を押し出しつつ、メロディーもしっかりとしたメタルサウンドをもったバンド。

初

単独のライブ映像作品としては、初の作品。ただし、今のところの最新作 Anno Domini High Definition では、ライブ映像を収めたDVD付きバージョンもあったので、既にそちらで、ライブの映像は堪能することは出来た。で、そのライブDVDでも、そのライブでの実力の片鱗を見せつけていたのだけれども、この作品に収められた彼らの全貌は、さらに驚くべき実力を提示している。

2009年

リリースは、2009年なのだけれども、ライブ自体は、2008年。ということなので、最新作の Anno Domini High Definition は2009年リリースなので、ここからの作品は当然収められていなくて、その前の作品の3枚のアルバムからの選曲。

的確すぎる

しかし、このバンド、演奏がうまい。ベース兼ボーカル、ギター、キーボード、そして、ドラムと4人編成なのだけれども、この4人が4人、演奏が超的確。そう、的確なのです、リズムが全く崩れないのです、良くも悪くも。
メタル系サウンドをベースにしているものの、リフと言うよりも、シーケンシャルなサウンドをベースに置いていることもあって、もともと、どこか、ポストサウンドなというか、打ち込み的な雰囲気を持った、クールさを背景にもつバンドではある。のだけれども、ライブでさえも、その雰囲気を再現してしまうほどの、リズムの的確さを提示されてしまうと、ちょっと、圧倒されてしまう。

クリア

そう、だから、結構このバンド、扱っているテーマは重くて、ダークなのだけれども、そして、サウンドもベースにはダークさがあるのだけれども、しかし、クリアな印象を感じさせられた。だから、ちょっと、これ、本当にライブサウンドなのかって、思ってしまうのだけれども、当然、ライブサウンドであって、結構驚きでもある。

バランス

そんなわけで、如何にもなテクニカルさを全面にアピールしたような演奏を見せつけるような展開は無いのだけれども、ドラムにしろ、ギターにしろ、そのあまりにも的確な演奏には、とてつもないテクニックを感じる。
そして、何よりも、バランスの良さが、このバンドの最大の売りという感じもした。その的確な演奏と同様に、バンドの誰かだけが特別に目立つのような演奏ではなくて、4人が4人ともに目立つようなそんなバランスのいいサウンド。逆に言うと、破綻を来すような危険性を感じさせるようなすれすれの緊張感を感じることが出来るようなライブではない。
ただ、良くアルバムを再現するだけのライブは面白くなくて、ライブならではのサウンドが必要という声をよく聴くし、私自身もそう思うところもあるのだけれども、ここまで、逆に完璧にやられると、それはそれで魅力である。