New Trolls:クラブ・チッタ



1.40周年です
イタリアンロックの重要バンドの一つ New Trolls 1970年代から駆け抜けて、紆余曲折を経ながら40周年を迎えて、昨年に引き続き来日した。VITTORIO DE SCALZI とNICO DI PALOという最重要人物の二人が揃いぶみ。ちなみに、 NICO DI PALO は交通事故の影響もあって、片手でキーボードを弾いていた。
ちなみに、今回は、6人編成+チェロ演奏も兼任する Stefano Cabrera 指揮による東京ヴィエール・アンサンブル(小編成オーケストラ)という編成。ロックとクラシックを最も融合させたバンドの一つ New Trolls のその実力を存分に発揮できるフォーマットでのライブ。


2.ワールド・プレミアです
今回のライブの目玉は、オーケストラとの共演だけではなくて、Cocerto Grosso Ⅲが、はじめて観客の前で演奏されるという事。登場とともに軽く2曲演奏すると、東京ヴィエール・アンサンブルの入場。そして、Ⅲが始まる。7楽章構成。
曲印象は、Ⅰ、Ⅱを踏襲していて、ストリングスに導かれて壮大にスタート。あとは、ストリングスとバンドの激しいアンサンブルあり、イタリアらしい叙情な展開ありと、多彩なところも、Ⅰ、Ⅱを踏襲している。
と、Ⅲの演奏が完了でここで中間休みで後半へ。


3.全員歌えます
後半は、Ⅰ、Ⅱを中心に過去の曲をずらりと。これが、すばらしすぎる。
まずは、メンバー6人全員歌えるので、New Trolls の特徴の一つである重厚なコーラスが見事に再現される。これが、ちょっとあんまりにも完璧で感動ひとしお。


4.何でも弾きます
そして、中心自分つである、 Scalzi。フルートを吹き鳴らすかと思えば、キーボード、ボーカル、アコギからエレキギターへと、とにかく何でも演奏するし、そしてうまい。そして、歌もこれまたうまい。


5.最も目立っていた人の一人です
それから、ヴィエール・アンサンブルのバイオリンソリストがすばらしかった。Ⅰのオープニングのあのバイオリンが激しくかき鳴らされるパートが、見事に再現されると、これは、ちょっと鳥肌もの。いつまでも鳴りやまなかった拍手のある程度は彼女に向けられてもいたと思う。


6.指揮者がいなくても大丈夫です
指揮者が、チェロ兼任なので、途中なんと、指揮をせずにチェロ演奏をし始めてしまう。てっきりオケなしかと思いきや、オケパートありの曲で、指揮者なしでオケが絡んでくる。一応、指揮者なしでもちゃんと成立するのですね、多分、ギターなりドラムなりが合図を出すようにはしていたのだろうけど、でも、少し感動な光景。


7.かなり完璧です
そのオケとバンドのからみが、これがもう、完璧過ぎる。そもそもの曲がオケ入りという事もあるのだろうけれど、ロックアンサンブルに対して、オケアンサンブルがうまい具合に対峙していて、激しく絡み合うところは、本当にすばらしいロックアンサンブル。一方で、スローアパートでは、オケの存在感が増して、全体を哀愁に包んでいく。その哀愁が、美しいコーラスワークによって彩られて。すばらしい。


8.楽しませ方も知っています
このメンツでのライブをどの程度こなしているのか知らないけれど、所々にちょっとした遊びを入れたりするので、結構慣れたメンツなのだろうかとも思えてくる。それぞれのソロを少しずつ入れてくるのはもちろんとして、Scalzi のボーカルとギターでの高音から低音への掛け合いを見せたり、演奏音量を小さくさせながら、地面にはいつくばるように小さくなって、そして、音量アップでまた普通の姿勢に戻ったり。


9.自分たちも楽しんでいます
それから、何より演奏している彼ら自身がとても楽しそう。Ⅲはさすがに初演奏であることもあって、少し堅さがあったようにも思えたけれど、後半はリラックスして、彼らの力をあらん限り見せつけたという感じ。


10.拍手がなりやみません
ここまで完璧なライブなのだから、当然、拍手は鳴りやまず。オールスタンディング状態のまま、アンコールが終わらない。結局最後は、やる曲が無くなって、Concerto Grosso からの曲を再度演奏して、終了。


11.3時間超です
結局ライブは3時間を超していた。もともと少々チケット代が高いライブではありながら、ここまでであれば、大満足。しかし、お年を考えるとその体力にも脱帽。演奏後は、サイン会までやっていたのだから、頭が下がる。


12.生み出す事はすばらしい
まぁ、過去の再演といえばそれまでかもしれないけれど、一方でやはり、何かを生み出す事はすばらしい事であって、それを生み出す過程では
いろいろなことがあったのだろうけれど、一度生み出されると、それ相応の評価を得て、そして、それが存在として非常に大きな意味を持つと、例え局所的にとはいえ。と思うと、ただああだこうだいうだけではなくて、何かを生み出す事、このことの大切さを痛烈に感じる。そして、生み出したものがすばらしいものになっていれば、例え時間が経ったとして、依然として価値を持ち続けるのだと。畏れを乗り越えて、そして、価値あるものを生み出す。その姿勢を忘れてはいけないのだと。ちょっと、あまりにもすばらしい演奏に涙ぐみながら、自分に言い聞かせても見た。


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