ICC :ネットワーク社会の文化と創造

1.リニューアル
ということで、リニューアルオープンされたICCの展示を見るとともに、オープニングイベントである「ネットワーク社会の文化と創造―開かれたコミュニケーションのために」を聞いてきた。


2.まずは展示から
展示のほうだけれども、予想以上に無料スペースの展示会場が広いことが判明で、かなり展示点数も多い。あれだけあると、普通に楽しめそうだ。イベントがあったこともあるかもしれないが、お客もなかなかの入り。
ただし、カフェはあれで良いのだろうかと・・・。イベントはたぶんほぼ満席なので300人以上が来ていたと思うのだが、あまり客が入っていないし、今ひとつ入りたいと思えない出来だった。


3.シンポジウム
3.1客の入り
先述の通りかなりの人の入りで、しかも、ぱっと見た感じは若者が多い。客層は一体どういった部類の人なのだろうかが少し気になる。きっと学生が多いのだろうけれど。
3.2お話
お話の方は、以下の四者で四様の立場から現代を分析する。
 浅田彰(思想家)
 斎藤環精神科医
 藤幡正樹(メディア・アーティスト)
 宮台真司社会学者)
これが、またかなり見事に現代を言い表していて非常に面白く、納得の内容。なかなか、こういった言説に出会える機会が少ないので貴重で良かった。
3.3もう少し詳しく
まず、失われたバックボーンとでも言うのだろうか、社会の流動化が進むにつれ、社会生活世界が失われてシステム信頼へと移行しつつあるのが現代だという表現はとても頷ける。また、メタ的なものを読み取ることの出来ない芸術鑑賞が日本では多いのではという話もうまい表現だと思った。そして、何より芸術は白痴であるという表現もまたおもしろい。
3.4勝手な解釈
で、私の勝手なまとめ。伝統的な社会システムが徐々に崩壊していくとともに、アメリカを中心としたシステムによる統制をベースとした流動化社会に変容しつつある。その中で、欧州は伝統に基づいた社会体制をスローライフという言葉とともに、対抗馬としてたてる。その中で日本は、緩やかな総同等思想という軸は持っている一方、そもそもベースとしていた村社会はほぼ崩壊した中で、流動化を導入しつつありながらも、そちらへも走りきれない混乱が渦巻いているのが現状であると。
しかし、システム統制による流動化社会がこのまま進むことが確実であり、そこである種の精神的軸に芸術というのはなりうるのではというまとめ。
3.5いくつかのキーワード
フリートークなので、先述ではとてもまとめ切れていないので、気になったキーワードを列挙してみる。
主体化、体験のテンプレート化、ポストモダン再帰性、浅い葛藤、カオティックを通過してバージョンアップ、エリーティズム


関連リンク:
ICC
Powered BY AmazoRogi