Tomas Bodin ”I AM” レビュー

Swedenの誇るシンフォニックプログレッシブロックバンド Flower Kings
のキーボーディスト Tomas Bodin のソロアルバム ”I AM”。
かなり前に発売されていたものの、それほどの出来ではないのではと勝手に思いこんでいて
購入してなかったのですが、なんとなく、たまたま最近購入してみたところ
これが非常に良い出来。
それまでのTomas Bodinのソロアルバムというとキーボードぎらぎらで
演奏面に重心が置かれていて、それはそれで聴いていて面白いが
もう一つ何かが足りないという感じがあった。
ところが、この”I AM”は、そのあたりの足りなさを感じさせない完成度の高い作品となっている。
シンフォニックなFlower Kingsの方法論に近く、それのRoine Stolt ではなく、
Tomas Bodinによる解釈と実践という形。
バンドによる演奏という要素が強くなり、アルバムもコンセプトアルバムとしての
統一感を持った作品。曲自体もエッジの効いたロックチューンからしっとりとした
ピアノを聴かせるパートを織り込んで多岐にわたる雰囲気を作り上げる。
感じとしてはTransatranticに近いものもある。
アルバムコンセプトはそのタイトル”I AM”どおり個人の存在、内面へとアプローチである。
駆け抜けるように過ぎ去る現代社会に流され、個人を確認する作業がこんなになるこの現代において、
個人の存在を個人の個としての存在価値を確認するそんな作品に仕上がっていて、
コンセプト的にもすばらしい作品。
おそらく、興味はあるが聴いていないFlower Kings ファンは多いはずなので、
聴いてみることをお勧めします。

なお、この後、”YOU ARE””HE SHE IT IS”がよていされいるとのこと。

Tomas Bodin (OfficialSite)
Tomas Bodin(AMAZON)
Flower Kings(OfficialSite)
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