愁いに満ちたプログレメタル For All We Know



For All We Know

For All We Know は、オランダのシンフォニックプログレバンド Within Temptaion のギタリスト Ruud Jolie によるプロジェクトバンド。Within Temptaion のほうを、私はほとんど聴いたことが無いので、比較できないのだけれども、おそらく異なる音楽スタイル。


憂い

どちらかというと、全体的にどんよりとした雲に覆われた雰囲気でダークなサウンド。メタリックな部分は少なくて、陰りのある憂いに満ちたサウンドで重いリフや早弾きもあるが、Gilmour 的なロングトーンが美しいギター音などが印象に残るようなサウンドPain of Salvation から若干激しさを引いて、Anekdoten あたりの北欧暗鬱サウンドに近づけた感じか。


メンバー

メンツ的には、バンドメンバーとしてクレジットされている Daniel Gildenlow の弟、Kristoffer Gildenlow がベースとして入っているほかに、ゲストではその Daniel Gildenlow や、John Wesley, Sharon den Adel などなどが参加している。


味わいに満ちて美しく

ということで、アルバムですが、先述通り愁いに満ちたサウンド満載。訴えかけるような重さのある感情表現が楽曲からあふれ出してくる。また、全体的に一つの調子で押していくというのではなくて、転調して異なる情景を描き出したりするなど、情景が浮かんできつつ、その場面が転換していくというような映像的な要素を感じる作品でもある。
インストパートのアンサンブルよりも、ボーカルラインが重要な要素となっているタイプのバンドで、コーラスパートなどもうまく生かしながら、雰囲気が作られている。ボーカルラインとコーラスワークでうまく表現する扇情的でもあるメロディーラインも美しい。


Keep Breathing

全体的に非常に楽曲もよくて、雰囲気作りも見事で、演奏の見せ所もあって、レベルの高いアルバムなのだけれども、その中でも、一つの山場は、6曲目 Keep Breathing。
Daniel Gildenlow のボーカルから始まるそれで、いきなり、さすが、Daniel と思わせるボーカル曲に耳を奪われる。そこに、Sharon den Adel 他ゲストボーカルが絡み混んできて、Gentl Giant 風のそれとはまた違うタイプのコーラススクランブルを作り上げる。2分に満たない曲なのだけれども、その印象的なサウンドでアルバム全体も引き締めている。


完成度の高い

しかし、これ、完成度がかなり高い作品です。本業の合間を縫ってでありながらも時間を掛けて作っただけのことはあるという印象。Porcupine Tree などの要素も感じさせるような楽曲で、Within Temptation よりはもっと、プログレ好きに好まれるようなサウンドだと思う。
全体を憂いで包みながらも、スピード感のある楽曲もあるし、アトモスフェリックな展開を挟んだり、メロディアスになったり、リリカルになったり、変拍子を絡ませた展開に持って行ったりと、とにかく特にプログレ好きのツボを押さえた楽曲展開を見せるので、聴き飽きない。
おすすめです。





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For All We Know
発売元 : Ais
発売日 : 2011-09-01 (1CD)
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