Flower Kings 派生バンド Agents of Mercy

Flower Kings

現代プログレ界の重鎮的な存在になりつつあるスェーデンのバンド、Flower Kings。ここのところ、Flower Kings としての活動がぱったりと止まってしまっているようにも感じられるのだけれども、その中心的存在である Roine Stolt のほうの活動は一時期ほどではないにしろ、依然として活発で、Flower Kings のメンバーでもある Jonas Reingold も参加するバンド Agents of Mercy としてアルバムを発表している。タイトルは、The Fading Ghosts of Twilight で、2009年の初め頃にはリリースになっていたのだけれども、なんだか、タイミングを失っている内に、ようやく今頃になって聴いてみましたのでご紹介。

ソロ・プロジェクト的

全曲 Roine Stolt による作品であることもあり、Roine のソロプロジェクトといってもいいバンドであり、作品だと思う。メンバーとしては、前述したように、ベースとして、Jonas Reingold がいくつかの曲で参加していて、その他には、Zoltan Csorsz がドラムとして参加。ドラマーとしては、Pat Mastelotto も参加していて、あともう一人のドラマー含めて、曲によって、その3人のいずれかがドラムをたたいている。他にキーボードとボーカルがそれぞれ専任参加していて、ボーカルは、Roine の歌唱に似ているタイプの若干粘着質のある柔らかいボーカルスタイルをとる Nad Sylvan という人物。

ファンタジック

アルバムはCDの限界に挑むように77分ぐらいぶん収められていて、12曲。色合いとしては全編変わらずで、如何にも Roine なファンタジック・ロック・サウンド。ボーカルスタイルが上記のタイプなので、このファンタジックなサウンドにはとてもマッチしていて、Roine の作る世界をうまく表現していると思う。ある意味、Fower Kings 以上のファンタジックさを感じさせる。一方で、このメンツなので、当然テクニカルな展開も見られるのだけれども、やはり、比重としてはこのファンタジックなボーカルパートに重きを置かれていて、このあたりのバランスが Flower Kings とは違うプロジェクトである所以であるとも思う。

さらに言えば

さらに言うと、変な表現をすれば、サザン・ロック的というか、まぁ、サウンド的には全くサザン・ロックではないのだけれども、フォーク・ロックをもう少しハード・ロック側に持ってきているというところが、なんか方法論としてはサザン・ロック的、でスェーデンのバンド的にそれを処理している感じ。言いたいのは、先鋭的なサウンドではなくて、どこか懐かしさを感じさせるようなそんなたおやかなサウンドであると言うこと。Roine のユートピア思想が結実しているサウンドとも感じる。非常に穏やかで美しい作品。

Flower Kings ファンには

というところなので、Flower Kings ファンならこれは確実に好きになるサウンドだと思う。
ちなみに、ライブでは、Jonas Reingold の Karmakanic と一緒のライブに出たりしていて、そのこともあってか、昨日紹介した Lalle Larsson が、こちらの Agents of Mercy でもキーボードを弾いているみたいです。

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