ピカソとクレーをbunkamuraにて



終了

本日、2009年3月22日が最終日であったBunkamuraでの美術展示、ピカソとクレーを見てきた。


クレーと20世紀美術

正直言って、タイトルをピカソとクレーとしたのは、商業的な意味合いが強い気がする。クレーの作品は特集を組むだけの分量があったけれども、ピカソの展示作品は非常に少ないし、分析的な展示でもない。
本来なら、クレーと20世紀美術と題すべき展示だと思う。


20世紀美術

特に前半は、20世紀初頭から中期までの20世紀美術のうち、抽象化へと向かう方向性を紹介しながら、代表的な作家を紹介していくという形態。特に、作品を集めるのが容易なのか、シュール・レアリズムの作家の作品が多く展示されていたし、超有名どころではない、シュール・レアリズム作家の作品はその他の展示でもよく見かける。


絵画の終焉

ある意味では、この20世紀美術の展開は、絵画美術の終焉へと繋がるとも捉える事が出来るような気もする。勿論、文字通り終焉ではないのだけれども、少なくとも絵画が芸術の中心存在ではなくなっていくという意味では終焉といっていいようにも思う。具象から抽象へと向かい、そして、その抽象が最終的には、絵画という枠組みさえも芸術を制約する物ではないという方向へと向かうといういみで。


超有名芸術家の終焉

もう一方では、超有名が芸術家の終焉も言えるように思う。現時点では、最早だれもが知る超有名芸術家はいなくなってしまったと言っていいだろう。それは、何も芸術の世界に限らず、文学の世界においても、その他の世界でも言えそう。それは、情報の多様化にも関連するのかもしれない。


そんな20世紀

そんな20世紀が堪能出来る前半の展示。個人的には、ワシリー・カンディンスキーの作品にお目にかかれたのは感激。


パウル・クレー

そして、クレー。クレーのいくつかの代表作はいくつも見たことがあるのだけれども、それらの作品に至るまでのクレーの作品の変化の変遷を見たのは、これが初めて。で、クレーが線と色彩による画面構成に至る変遷がとても興味深い。
で、結局絵画の本来の状態である平面的な作品に至ることの意味というのはとても面白くて、ある意味では、結局認識できる世界は、2次元にすぎないと、多様性を議論しても、ある瞬間にはある断面しか見ることが出来ないと、それを象徴的に描いているように感じた。
そして、その断面を明るい世界として描きあげているところも、ある種の潔さを感じた。もともと、クレーの作品には色彩的な抽象画以上の物を見いだせていなかったので、非常にいい体験だった。
個人的には、”雷雨の後の庭”が展示作品の中では最も好きな作品。


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