メルティング ポイント:東京オペラシティアートギャラリー



1.東京オペラシティ
何となく、夏休みはアートだ的なスローガンで、オペラシティごとアートですという宣伝をしている一角で、開催中なのが、メルティングポイントという展示で2007年10月14日まで。


2.空間インスタレーション
ジム・ランビー、渋谷清道、エルネスト・ネトの3人の作品で構成された展示。3人とも、壁に飾る、床に置くといった一般的な展示手法ではなくて、空間そのもの、各展示空間を生かしたインスタレーションを中心に作品を展示している。


3.ジム・ランビー
まずは、ジム・ランビー。目に飛び込むのは、縞模様に埋め尽くされた床。そして、ペンキにまみれたトリのインスタレーション。床という展示場そのものに装飾を加える事で、空間そのものが作品に変化する。そして、そこに配置される物が、オブジェであったり、絨毯であったり、ガラスで覆われた椅子だとかで、一見全く統一感のない不思議な展示。実際にその場ではあまり気づかなかったのだけれど、この一貫性のない空間が、しかし、シュール・リアリズム的というか、ポップ・アート的というか、そういった従来の平面表現を空間に持ち出して立体にしたという印象に繋がっている気がしてくる。すると、例えば、ガラスの破片のもつ乱反射性っていうのものだとか、全体を覆うカラフルな印象だとかが急にある種のまとまりがあるような気がしてくるのが面白い。空間性と、そのねじれた感触というか。


4.渋谷清道
こちらは、展示空間を生かし切るというよりは、展示空間をさらに区切る事によって、別の感覚を引き出そうという作品。白によって作り出された空間と、切り抜きによる装飾感。そして、壁だとか、穴だとか、額縁だとかが、それぞれのエッジ部が、綺麗に曲面で接続されているところだとか、通常の床と作品として床の境目の装飾だとかが、個人的には興味を引いた。作り出された空間に対して、その境目の感覚。


5.エルネスト・ネト
エルネスト・ネトは現在、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で、個展が開催されていたりするなど、結構注目を浴びているような気が、個人的にはしている作家。ストッキングのような素材を空間に張り巡らせて、透過性を持ちながら、空間をふさぐという作品。何となく、面白いけれど、もう一つ面白くないという印象。


6.ということで
全体的には、何となく面白かったかな、というレベルという印象。実質は、大きな作品三点+αって感じなところが、少々物足りなさなのかもしれない。もしくは、全体の作品がもつ特性が、強烈な違和感ではなくて、不思議な物でありながらも、あまりにも空間に融け込んでいるというところが、印象を強くしないところかもしれない。ただ、それは、ある意味メルティング・ポイントというタイトルにふさわしい展開なのかもしれない。


関連リンク:
dLINKbRING.Art.東京オペラシティアートギャラリー
MELTING POINT メルティング・ポイント
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