アドリアナ・ヴァレジョン:原美術館



1.ブラジル
ブラジルの女性現代美術家、アドリアナ・ヴァレジョンの個展が原美術館にて開催中(〜2007/03/31)。で、行ってみた。


2.こういうのが好み
全体的には、展示点数はすくなくて、さっぱりとした感じの展示。
タイル張りのプールやお風呂などが全面に描かれた作品が多くを占める。で、このタイル張りが、空中では当然タイルの直線で構成されているのだけれど、一方で、水が溜まっているところは、その水の表面の波によって歪んだ底面のタイルが対比的に曲線的に描かれる。この曲線部分がとても心地よい。全体的な色合いも白と水色が主体で柔らかな印象なのだけれど、ここに絡み合うように描かれる水面下の曲線、しかも、本来ならば直線である曲線が、なんというか、感情の揺れ=水面の揺れ、そして揺らぐ感情を表現しているようで、何ともいえないシンパシーを感じる。
個人的に、曲線がとても好きなこともあって、非常に気に入った。


3.歴史的
ただ、上記のようなスタイルはこの作家の最近のスタイルらしい。上記のスタイルの作品の他に、古典的な作品をベースにしたものや古地図をベースにしたものなどが展示されている。これらは一部傷つけられた肉体のようでもある。歴史のなかにある残虐性の象徴だろうか。作品の振れ幅の大きさが結構意外な感じ。この作家の全体像を知りたくなる感じでもある。


4.庭園
ちなみに、庭園にも作品がおかれている。庭園部分はカフェの一部でもあるのだけれども、そこは、あまり気にせずにカフェに用事はなくても、庭園を見ることが出来るので、その他の収蔵作品とともに庭園を散策もこの時期は心地よい。


関連リンク:
dLINKbRING.Art.原美術館
Hara Museum Web
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