Make:オライリー

1.デジタルより出でて
さて、コンピュータ系プログラム系書籍で知られるオライリーから、雑誌「make」が創刊された。米国版は、既に存在して、あらたに日本版が刊行されたわけだ。年2〜3回のペースでの発行とのこと。


2.これはすごい
ということで、購入してみると、これがまた面白い。内容としては、デジタルガジェットではなくて、アナログガジェットというか、リアルガジェットというか。つまり、勝手にいろいろな部品を組み合わせて面白いおもちゃを作ってしまった人たちの記事。なんとなく、engadgetの記事に出てきそうな内容のものでもある。


3.観点がギーク
なるほど、完全に手工業なガレージ日曜大工的ではあって、とてもアナログな内容なのだが、それでも、何となくギークな感じなのは、やはり、勝手に主たる目的対象がはっきりしないままに、面白そうだということを最大限のモチベーションにして、いろいろなものを作っている人たちが記事になっているからだろう。昔からラジコン作りだ、何だというのがあるが、それとは何となく一線を画す印象があるのも、アナログでもギークな香りがするところかもしれない。


4.編集がブログ?
あとは、全体の記事のノリがブログに近いというところもこの本の特徴としてあるかもしれない。これが無線と実験とは違うところで、無線と実験などを見るとかなり詳しくないと一目で引いてしまうが、このような軽いノリで書かれていると、例えそれを作ることが難しそうでも、記事として楽しめるというのもあるように思う。これは、オライリー独特の編集思想によるのかもしれない。オライリーの本の構成は、まるでコード設計されているかのようである。


5.アナログに帰す
この本でも


次の段階として「オープンソースハードウェア」というのもある
なんてことが書かれているが、そんな予感はかなりしてくる。さらに、これもこの本で書かれていることを少し拡張してみての意見だが、アナログの進化の過程では、アナログプロダクツもそれほど高度ではなかったが故に、それをいじる人も多くいたのだろうが、やがてその進化とともに、素人にはいじりにくいものに代わってしまい、いつしか、分解ということをする人が激減していった。ところが、デジタルの進化が進むと、今度は、コードをいじるという行為を通して、ものを勝手にいじってカスタマイズするということに慣れてきた、その発想が、今度はまたアナログの世界に戻ってきてアナログなものをカスタマイズするという発想が生まれるようになってきた。というところもある。そして、ハードウェアも図面ベースであるとすれば、これは、デジタル共有も可能であるかもしれない。すぐに値崩れする最近のデジタル家電を考えると、パーツのコストはすぐに下がる、あとは、それをどのように組み合わせてどのようなインターフェイスにするか、という問題になるのだとすれば、各社で仕事でやっている人たちよりも、あと少しかゆいところに手が届かなくて困っているユーザーがアイデアを出し合って作る方が、良いものが出来るのかもしれない。そんなことをふと思ったりしてみる。
関連リンク:
オライリー ジャパン
Make Blog(english)
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