コーエン兄弟によるシリアスマンを観てきた



コーエン兄弟

映画監督のコーエン兄弟は、アカデミー賞を受賞した「ノーカントリー」の監督をするなど、数々の名作を手がけた映画監督。そんなコーエン兄弟による「シリアスマン」という映画を観てきた。


シリアスマン

舞台は、1967年のアメリカ中西部郊外の小さな街。大学教授である家族を抱える男で、敬虔なユダヤ教徒。普通の一般的な家庭の夫であり父親である普通に仕事をしているただの男。しかし、そんな男に、次々と不幸な出来事が起こる。そんな展開の映画。
ユダヤ教徒のこの男は、ユダヤ教の師、ラビに救いを求めるのだけれども、結局これといった回答を得ることはできない。しかし、一方で彼に降りかかる不幸は、とどまることを知らず、夜中にうなされるようにまでなる。





コメディー

そういった不幸を題材にしているけれども、映画そのものはタッチはコメディーに近い。また、全体的には、それほどスピーディーな展開があったりとか、メリハリな展開を見せるわけではないので、ちょっと退屈に感じるところもあり。


やがて

そうやって不幸に陥って行きながら、何の救いのないままの彼なのだけれども、しかし、なんとかぎりぎりで耐えて、息子が成人を迎えたり、彼自身にも朗報が舞い込むのではと思われたのだがしかし、さらなる不幸が彼を、いや、彼を含むその街にも襲いかかるのではというところで映画は終了する。


不安

この映画は、現代人の不安をそのまま描き出しているといえるだろう。それほど間違ったことをしていないと思っているのに、だけれども、これと行ったいいことはなく、むしろ、うまくいかなくなり始めるとどうにもならない。そして、最後の砦であるはずの宗教に救いを求めても、もはや、何も回答を出すことが出来ないと。


相反する要素

そして、そこに入り込んでくる面白い要素は、この男が物理学の大学教授であって、場面によっては不確定性理論を講義していたりする。つまり、それは、宗教的な価値観とは異なる価値世界であると言うこと。もう一方で、この息子が聴いているのがロックであるということ。宗教の言葉よりも、むしろロックの歌詞の方が救いを感じるそれとも取れたりもする。しかし、ユダヤ教の儀式の場面もこの映画では出てくるけれども、それは、すばらしく荘厳な世界でもある。
この異なる世界を混合させているところは面白いところだと思う。


淡々と

というところだけれども、なんというか、それほど盛り上がりもなく、それほどインパクトもなく、比較的淡々とした映画です。のんびり映画でもって感じで見るのにちょうどいい映画かと思います。


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