2010年の映画を自分のブログから振り返る



映画

さて、2010年を振り返るシリーズ、今回は映画。ミニシアター系映画はこのところ衰退の一途を辿っていて、2011年には、恵比寿ガーデンシネマも閉館されるという厳しい状況。そんななか、確かに、2010年は、非常に収穫は少なくて、私が見た映画も、過去の作品の再上映というのも少なくなかったし、そもそも見たいと思う新作も少なかった。配給側も収支を考えると、上映する本数を絞って、逆に俳優人気などでそれなりの観客が見込めそうな邦画にシフトせざるをえないのかなと邪推までしてしまいたくなる。

2010年に見る映画の数
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ベスト

そんななか、私にとって、2010年のベストだったのは、「ソフィアの夜明け」(記事はこちら)。最初は、うすっぺらい青春映画と思っていたのだけれども、実際見てみると、周囲の変化の一方で感じる自身の閉塞感に行き詰まる人間の感情を見事に描いたすばらしい作品だった。


次点

僅差での次点は、「シルビアのいる街で記事はこちら。街を舞台にした映画は、その不思議な状況設定とともに、そのカメラワークにも特徴的なものを持たせながら、人と街の関係性を描いたような作品ですばらしかった。


ドキュメンタリー

ドキュメンタリー系の映画でも、いい映画がいくつかあったが、まず一つ目は、「ビルマVJ 消された革命」(記事はこちら)。なかなか日本にいると知ることの少ないビルマの現実を知ることの出来る映画。そして、もうひとつは、「ペルシャ猫を誰も知らない」(記事はこちら)。こちらは、言論の自由が制限されている国イランにおける音楽に打ち込む主に若者をとりまく現実を描いたもの。普段知ることの出来ないイラン音楽に触れることが出来る映画だったこともよかった。


もうちょい

また、よかったのだけれども、惜しいと感じたのは、低予算SF映画月に囚われた男」(記事はこちら)。もう少し完成度が欲しかったかなというところはあるが、注目に値する映画だった。


低調

しかし、2010年の映画ははっきりいって、低調だった。そもそも、映画の上映そのものが少なかったように感じる。やはり、客入りが低調ということもあるのだろうけれども、なんとも残念。ミニシアター系の市場は、もう一回り小さくなって存続するしかないという悲しい状況になっている。


再上映

一方で、結構2010年に行ったのは、過去の名作の再上映もの。「エル・トポ」(記事はこちら)。そのほか、見損ねた再上映ものの映画もいくつかあったので、再上映ものは今後も増やしてもらいたい。過去の名作を見る機会を作ることで、若いファンを作り上げることも出来るのではと思うので。


期待

なかなか2011年のミニシアター系映画にも期待しにくい状況だけれども、しかし、期待したい。
まぁ、でも、難しいのかな。と、あきらめな気分も濃いです。とかく、分野が閉塞し始めると、さらに、コミュニティの強化が起こって、さらに、分野が閉鎖的になって新参者が入り込みにくくなってしまうと言う現象が発生して、あとは、デフレスパイラルになりがち。ミニシアター系映画の世界は、そうならないようにすくなくとも、オープンなスタイルをとり続けながら、情報発信し続けることで、新たな血が流れこんでくることを期待するしかないかもしれないのかなとも思う。