あまりにもすごすぎてバカといいたくなる Alamaailman Vasarat のライブ



フィンランド

さて、フィンランドのジャンル分け不能バンド Alamaailman Vasarat の来日公演は、10月3日の duo music exchange に行ってきました。


椅子あり

どの程度のお客さんが入るのだろうかと、さすがに duo music exchange はがらがらかなと思いきや、それをすでに想定済みということだったのか、椅子とテーブルが用意されていたので、それほどの客数ではなくても、うまく埋まっている感満点な状態。ちなみに、私も早めに行った甲斐があって、いいポジションの席を確保。


前座

6時定刻に開始でまずは、オープニング・アクトとして、フェロー諸島出身の女性ボーカル アイヴォール が登場。ハープっぽい音の出る小さな楽器を片手に北欧トラッド系の曲から始まると、アコースティック、エレクトリックのギター弾き語りで、その後もトラッド系のサウンドの歌を披露。非常に美しい声で、笛のような超高音から、厚みを感じさせる低音まで非常にすばらしい声を聴かせてくれた。曲はトラッド的サウンドの自作と実際のトラッドを最後にアカペラで、という選曲で、フェロー語と英語で歌っていた。椅子席で落ち着いて聴ける感じが丁度良くて、美声と北欧独特の節回しが心地よかった。約40分の演奏で終了。


本編

セット準備が入って7時頃から、本編の開始。ドラム一人にチェロが二人でキーボードが一人と、トロンボーン一人に中心人物スタクラがメインはサックスで、時々チューバとサックスの合いの子楽器で結構貴重であるというチューバックスという楽器を担当で、6人編成。
で、この構成で展開される曲はトラッド的なメタル的なおバカでバカテクなまぁ、ワールドミュージックサウンドのタイプは違うのだけれども、トラッド的な要素をベースにしながら、バカテクを武器に一方でお茶目なあそびも存分に入れるというとこが、イメージとしては、Samla Mammas Manna にも近い。
演奏はアンコールも含めて約1時間半ぐらだったと思う。


激しい

そして、演奏が始まるとまずは衝撃なのが、チェロの凶暴な音。どういう処理をしてあの音を出しているのかよくわからないのだけれども、そのよくわからない激しい音を奏でる二人のチェロの弓裁きが異常なほどの高速な動きにまでも至ってさらに衝撃的。で、前にいる二人の管楽器がまた面白くて、半ば演劇的なお遊びも挟みながら、しかし、トロンボーンとサックスで掛け合いを続ける。伸縮するトロンボーンがなんだか危険な感じがするところがまた面白い。勿論、演奏の掛け合いも抜群。そして、ドラマーがこれまた周りでいろんな事をしているために目立ちにくいのだけれども、それでも、すさまじいバカテクでたたきまくっていて、特にシンバルさばきが凄くて、あそびの多いこのバンドの音の幅をさらに広げている。そして、キーボードなのだけれども、唯一普通な外見ということもあって、ちょっと違和感な感じだけれども、パイプオルガン系の音の出るキーボードをメインに、時々ピアニカも取り入れながらの演奏は、自由すぎる周りの演奏をむしろ支えていて、場面転換などでも見事に活躍していた。


絶妙

そして、これらの楽器が恐ろしいほど見事なアンサンブルをみせると共に、変拍子どころではない変則的な拍子使いながらも、決めのところは常に見事に決まり続ける。しかも、この緩急の落差が尋常ではないにも関わらずこれが決まるのだから衝撃的。ただ、変則的なところが多すぎて曲が終わったのかどうかが分からないのが、このタイプのバンドの常で、このライブでもそうだった。まぁ、親切にも曲が終了したよの合図でスタクラが軽く会釈するので拍手のタイミングが分かるという次第。


おバカ

しかし、このバンドは、おバカというかお茶目というかで、先述のように、フロントの管楽二人は、妙なコントっぽい動きをしているし、チェロの二人は途中からのどごし生を飲んでいるし、あとは、途中テルミンを使うのだけれども、ここもただ、テルミンを演奏するのではなくて、チェロの片方が出てきて、顔を近づけて音をだして喜ぶという、しかも、周りでまた変な演劇をしながら。ホント演奏だけでもバカがつくほどのテクニックなのだけれども、やることもちょっとおバカでした。


不協和音

で、このバンドがそれだけではないのが、演奏がうまいだけではなくて凝っているところ。演奏に入る前に少し、効果音的な物を挟み込んでくる場合もあるのだけれども、このあたりも、どの楽器で音を出しているのだろうかというような不協和音的なサウンドをチェロでだしたり、喧噪のような音をドラムがブラシで出していたりしていて、細かいところまで凝ったサウンド作りをしていてこれもまたいいところだった。


しかしスゴイ

しかし、結論を言えば、あまりにもスゴイライブだったということ。とにかく凶暴でお茶目で、そして、うまい。着席ライブだったので、静かに見る雰囲気になっていたけれども、曲調としてはむしろスタンディングの方が良かったかもという感じ。
とにかく、他のどのバンドでも感じることが出来ないであろう興奮をこのバンドは魅せてくれたので、本当に大満足。あれぐらいの箱なら満杯にしてしまってもいいような実力を備えたバンド。
しかし、残念なのは彼らのCDは結構入手困難であるというところ。デジタルでも可なら、iTunes で購入するのが手っ取り早いかもしれない。




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