David Sylvian の新作はより現代アート的に

David Sylvian

元ジャパンという言い方が段々とあまり意味をなさなくなりつつある、アーティスト David Sylvian のソロとしての新作 Manafon がリリースされているので聴いてみた。

現代美術

音響系の作品で現代美術展にも作品を提供するなど、ミュージシャンという枠を超えたアーティストとしての活動を展開してる David Sylvian だけあって、この新しい作品では、そういったメディアアート的な側面をより強く感じさせる作品に仕上がっている。

間

Nine Horses としての出している作品でも、静かで超スローなバラッドににのせた渋い歌声が、一般のミュージックシーンに見られる雰囲気とは全く異なる世界静かでしっとりとした世界を描き出している彼だけれども、この作品ではその世界がさらにより深い領域に踏み込んで行っている。それは、上記のようにメディアアート的な要素がさらに盛り込まれたというところもあるし、アコースティックという言葉を超えたアコースティックというのか、弦の音の響きにのせた、ボーカルの声の響きによる構成を感じさせるサウンドを作り出しているが故でもある。
そう、このサウンドには、存分すぎるほどの間がある。音を極限まで少なくして、リズムやメロディーなどが存在していないかの如くのサウンド。そして、それをわずかに彩るサウンドも、ただ通りすがりのそれであるかのように、音をある意味では無秩序にも感じさせるように付け足していくような使われ方。

逆に惹きつけられる

この間と遅すぎるサウンドが、逆に注目させられてしまう。ノリで持って行く音楽とは対極にあって、とても雰囲気に満ちたサウンド。そのサウンドに、吸い込まれそうなそんな感じがしてくる。聴き浸りながら、暗がりでゆっくりコーヒーでも飲んでいようかと思わせるようなサウンド。
メディアアートなどにも興味をもつ音楽ファンにはお勧めです。

そして、これも

ということで、ここ最近紹介している作品はとてつもないスペシャルエディションが存在していますと紹介していますが、この作品もそう。通常版はCD1枚だけれども、スペシャルエディションは、DVD付き。で、こちらのDVDには、本編の5.1chバージョンが入っていて、さらにドキュメンタリー映像が収められているらしい。さらに、豪華ブックレットもついているなどで、お値段は、私の見た価格では1万円を超えるそれだったので、高くて手が出ませんでした・・・。

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