世界的ベストセラーだという「世界の測量」は・・・



ダニエル・ケールマン

ドイツの若き期待の文学者、ダニエル・ケールマンの世界的にベストセラーになっているという作品、「世界の測量」の話題を何かときくので、何なら読んでみるかということで、読んでみた。


ガウスフンボルト

この作品は、数学をはじめとした学問的な天才ガウスと冒険家・測量士フンボルトのそれぞれの冒険を平行的に扱いながらなんとなく交錯させていくという物語。いわば、論理と戦う屋内派の冒険家とジャングルを分け入る屋外派の冒険家の物語というわけ。


歴史的

この中心的登場人物の名前を読んでも分かるとおりに、この作品には、歴史的に有名な人物の名前が登場人物として扱われる。ただ、名前はあくまで利用されているだけで、歴史的事実を正確に踏襲しているわけではない。


ほら男爵の冒険

個人的な感想としては、この物語は、現代版のほら男爵の冒険とでもいうべき内容ではないかとそんな印象。逆に言うと、そのレベルの作品であって、哲学的深さなどを感じさせる物ではない。
歴史的な正確性もない一方で、中途半端な誇張表現であるために、マジックリアリズムのすばらしき作品にあるような興奮はないし、逆に言うと、中途半端な知識を元に好き放題に書いただけというレベルにしか、私には感じることは出来なかった。
また、この二人の存在が対称的な特徴を持っているにもかかわらず、その対照的な様子をそれほどうまく扱い切れていないで、ただ平行存在しているにすぎないように感じられるところがまた、非常に残念。


結局だから?

最終的な展開を読むと、数々為してきたことの虚しさを感じさせる二人の老年に、人の為したこととは何かというような、結局だからどうなんだ、生きるということは、目標とは、ということを若干感じさせもするのだけれども、まぁ、それを描くのにこれだけの分量の紙はただの環境破壊にすぎない。むしろ、この作品事態が、結局だから何?といいたくなる。


軽々と

ということなので、特に深くいろいろと考えることをしなくても、読んで楽しむことが出来るといえばそう。私が普段読んでいる本と比べれば、行間も広いし、文字も大きいのでハードカバーだけれども、実際の文字数はそれほどでもない。おまけに、良くも悪くも軽妙な文章なので、特に深く考えることの必要もなく読み上げることが出来る。


軽読書家

文学の極北を求めるような読者にはこの本はよむ必要は全くないと思う。暇つぶしに読みたい本があるという人にとっては、丁度いい作品だと思う。




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世界の測量 ガウスとフンボルトの物語
発売元 : 三修社
発売日 : 2008-05-23 (ハードカバー)
売上ランク : 23166 位 (AMAZON.co.jp)
¥ 1,995 在庫あり。
評価平均 : /9人
これって面白いの?
集めまわる、考え続ける。二つ英知の世界像。
文体があいません
超人と天才の人間的な悩みを描く
硬そうな印象でしたが…
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