「四川のうた」は期待はずれでした



ジャ・ジャンクー

最近の中国を代表する映画監督ジャ・ジャンク-監督の最新作、「四川のうた」が渋谷のユーロ・スペースで上映が始まっているので、見てみた。


巨大工場

中国の巨大工場の解体にともなって、撮影された作品。そこにまつわっていた人々のインタビューで構成されている作品なので、ドキュメンタリー映画といってもいいと思う。


これがいまいち

で、これが何ともいまいち。これが中国のしかも軍事工場であったことによる言論統制によるのかどうかは、わからないけれども、とにかく、インタビューに対する回答の内容が、はっきりいってどうでもいいような話ばかり。
例えば、こんな古くからの工場が解体されて、そして、新しい街といってもいいほどの物が出来ようというのに、こんな内容のインタビューで、何がそこに見えてくるのだろうかはなはだ疑問。正直言って、かなり期待して見に行ったのに、相当ながっかりで、ここ最近見た映画でもここまで残念な気分になったのは久しぶり。正直、途中で出ていきたくなったくらい。


しょぼくれた

インタビューで抽出される内容が、何というのだろう、全く何も新しい視点を提供していないのが最も大きい。そこで回答される内容は、確かに若干悲劇的な様子も含まれるのだけれども、それは、何もこの工場に限ったことではなく、日常にどこにでもあり得る悲劇のレベル。しかも、それはどこか自業自得か、もしくは、ただの世間知らずということに起因する部分も多い。まぁ、むしろそういった日常を描いているという捉え方も出来るのかもしれないけれども、そんな日常をお金をはらってまでみたいとは私は思わない。
なんだか、過去ばかり振り返って、しょぼくれているだけのようなそんな印象。


エネルギー

例え、政府や財閥などの大きな力によるものとはいえ、大工場の形成とそして、その解体、さらに、そこに新たに構築される物がある、となると、もっとダイナミズムのある、未来への強引な突破力と、一方で、生活を必死に守ろうとする分厚い圧力が対立して、そこに生まれる強い渦が何かを示唆しそうな気がするし、それが、ここで描かれているのだろうと思って、期待して見に行ったのだけれども、上記のような、しょぼくれたインタビュー作品にすぎなかった。特に最後に出てきた女性は、中でも最高に残念な一人。


何が主張ポイントなのか

ということで、この作品自体の主張ポイントもまるっきり不明。まぁ、これは私の完全に個人的な感想なので、全くちがうことを感じたかたもいるかもしれませんが、私にとっては、この残念な内容に、意気消沈してしまいそうな、そんな作品でした。


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原題は「三峡好人(三峡の善人)」です。
ひたすら退屈です
長江の潮流に身を任せたような悠然としたタッチの凄さ。
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