it Bites の復活作は、意外にもいいかも

微妙に復活

さて、80年代に登場した、ポップ感満点ながらも、伝説的にさえもなったバンド、it Bites。その復活作が、長らくの噂の季節を乗り越えて、遂に2008年にリリースされた。タイトルは、The Tall Ships。

メンバー

メンバー的には、微妙なところもあって、レコーディングは、オリジナルの John Beck , Bob Dalton に、 Arena などなどで活動する若い John Mitchell。そんなこともあって、ちょっとそれほど期待できないのではないか、なんて思いながら聴き始めたら、これがこれが意外や意外。

サウンドは80年代

John Mitchell の器用さと声質もあって、意外にも、当時の it Bites の雰囲気を保持したままの雰囲気を維持している。そして、どこか懐かしさと、ちょっと気恥ずかしささえ感じてしまいそうな、ばりばりのポップ感が、見事に展開されていて、すばらしく完成している。変に変わるのではなくて、当時から彼らの特徴であった甘すぎるサウンドを再度提示しているところは、むしろすばらしいと言える。

なぜ、プログレか

このバンドがなぜ、プログレ文脈で語られるのかというのは、実は、私自身もよくわからなくて、サウンド的にも、むしろ、ポップな要素満点。逆に、凝った演奏はさほどない。サウンドは甘すぎるぐらい甘くて、美しいボーカルとコーラスワークで、そのサウンドをより色づける。
これは、もう完全な80年代風味ポップサウンドであって、プログレ感もハードロック感もあまりなくて、ポップロック。