青春の物語をガス・ヴァン・サント監督より ”パラノイドパーク”



ガス・ヴァン・サント

ここ最近だと、カート・コバーンの最後の日を描いた”ラスト・デイズ”で知られる映画監督、ガス・ヴァン・サント監督による作品、”パラノイドパーク”を見てみた。


青春

全体的には、高校生の生活を描いた、特にこれといった事はない青春映画。なんとなく、問題を抱えているような、学校と家庭生活があって、恋人がいるけれども、自分自身はすでに冷めてしまっていて、スケートボードのたまり場、パラノイドパークがあって、そして、一つの事件が起こって。


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一つの事件を除けば、それなりに良くある状況に過ぎない気もする。特に、強く感情に残るシーンがあるわけでもないし、言葉があるわけでもない。特に、必見という印象はしない作品という印象がした。


揺らぎ

どうしたらいいのかわからない事件を抱えて。家族のことは、それはそれとしてうけ入れるだけで、そこに感情を費やすことの無意味さを、既に理解していて。そうであるが故なのだろうか、恋人の感情に答えることも出来なくて。ただ、大きな事件が彼の感情を揺さぶる。それと前後して、家族の関係が一線を越えて、恋人とも別れて、しかし、事件は解決しないのだけれども、感情だけは何とか落ち着ける方法を見いだす。
そのように、感情が時に不感症のようでもありながら、揺らいでいる様子が描かれている。こういった、感情の揺らぎって、しかし、青春特有の物なのだろうかと、思ってみる。案外、それなりに年をとっても、依然として、他者との関係に、感情が陰にも陽にも揺れ動き続けるもののようにも思う。勿論、生活をどこに落ち着けるかにもよるのだろうけれども。
そして、そういった感情の揺れ動きは、答えは見つからないままに、しかし、やがてどこかに自然と収束していくと、この映画のように、そんな物なのかもしれないと、そんな気もする。
そういう観点からすると、劇的に描くことはせずに、事件が起こり、そこに、そっと助言を与えてくれる人がいて、そして、物事が解決したとはいえないままに、だけれども、次に踏み出していくというところを、淡々と描ききったという意味では、実は、とても的確な表現なのかもしれないとも思ってみる。


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映画「パラノイドパーク」公式サイト ガス・ヴァン・サント監督作品
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