Porcupine Tree の虚無循環

大胆な

英国の愁いを秘めたプログレ系バンド Porcupine Tree のEP、"Nil Recurring" が発売された。邦題は、"虚無循環"という狙いすぎたタイトル。
もともとは、"Fear of Blank Planet" に伴うツアーにおいて、ツアー会場限定で発売されていた物だが、日本だけ特別に一般販売（+ボートラで）されたもので、"Fear of Blank Planet" の補足的EP。

4曲

ボートラを除くと全部で4曲。曲自体は、どれもアルバムに入ってもおかしくなかったというだけの事はあって、完成度は高い。また、このEPのみの特別な曲調を持っているという事はなくて、アルバムに準じた雰囲気を持つ楽曲での構成。なので、柔らかいボーカルパートから、疾走し、ドラムをたたきまくるような激しい展開から、また落ち着いた展開へとという、人格が変化するかのごとくに落差の大きな曲展開は、この作品でも健在。

特に

個人的には、4曲目の"What Happens Now" が興味深い。その前の3曲もいいけれど、どちらかというと、今までのPorcupine Tree でもみせていたタイプの曲で、目新しさはあまりないという印象なのだけれども（でも曲はいいです）、この4曲目は雰囲気は違わない物の、曲イメージがいままでのものとは少し違っている気がする。特に、中盤からエンディングにむけて、細かいプログラミング的リズムで小刻みなリズム感を作るかと思えば、非常に大きな波を持ったリズムラインへと転換して、自由に走るギターサウンドが、凶暴化したPink Floyd 的な印象を持っていて、おっ、っと思わせる。これ、なかなかいい。