ICC:オープンサロン



1.緊急開催
さて、2006/07/08に急遽開催されたICCオープンサロンは、未踏ソフトウェアにて開発中のソフトウェアでかつそれを利用した作品がICCに展示されている「Monalisa」と「phonethica」の開発者および北野宏明氏、茂木健一郎氏での対談。


2.ネット
今回は諸般の事情によりネット中継を見る。時々音が飛ぶのとプロジェクタの字がとても読むことが出来ないのは通信速度もありしょうがない、全般的には特に問題はないし、家で他のことをしながらラジオ感覚で聴くということも出来る。


3.Monalisa
画像デジタル処理と音声のデジタル処理を同列に扱うことで、例えば画像処理に音声処理プラグインを使うようになるなどのことを可能にするソフトウェア。新しい音作成デバイスを作りたいという意志のもとに開発が始まったとのこと。ちなみに、城 一裕氏はSine Wave Orchestra のメンバーでもある。音も光も周波数に分解できるということを考えると、そこにある共通性を別の表現形態に変換して表すというのはとても興味深い。Sine Wave Orchestraも、どこか、逆FFT的で面白いと感じるが、このプロジェクトはFFT→逆FFTの過程で別媒体へ移動するというのが面白い。かつ、例として出ていたPhotoshopで音を作るというのも面白くて、いろいろなものの関連性と差異および共通となる言語を探るようでもあり興味深い。開発者の言葉で


純粋に今まで聴いたことの無い音を出すことを作りたい。
というのもかっこいいと感じた。Moogやthereminのようでもある。あれらも電気的な変換をかけて音にするということだとおもうので。  


4.phonethica
異なる言語間での発音の似た言葉をリンクさせるということをベースにそれらをネットワーク的に表示したりするなどを行うソフトウェア。コンピュータが介在するとまず、データベースを作りたくなる。そして、次にそれらをリンクさせたくなる。そして、それらをいいインターフェイスによって面白く表現することで新たな何かを発見できないかと思わずにはいられない。たぶんある程度のデータを扱う機会があってかつプログラムやデータベースをかじったことがある人なら常に思っていることだと思うが、それを言語において行うもの。しかも、単に言語間言葉遊びだけではなくて、日々消滅しつつある多くのマイナー言語の保存という命題をしっかりと掲げている。質問が多かったというところにも現れているのだろうが、発展性と拡散性の両方を秘めているものだと思う。個人的には、こういう学術的な側面からではない言葉遊び的なアプローチによってデータ収集解析していると意外にも学術的アプローチでは見つけられない重要な何かが(偶然的に)見つかってくるように思うので、今後の展開にも非常に興味を感じている。


5.まとめ
なかなか刺激的。いろいろなことを考えて、しかも、それらを実践しようとしている人たちの話を聴くことほど面白いことはない。


関連リンク:
ICC
関連サーチ:
ICC(Technorati.jp)
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