スイス現代美術展 リアルワールド−現実世界

そして、川村記念美術館を出てみると、千葉市美術館直通バスを発見。
これほど渡りに船なことはないので、そのままその
バスに乗って千葉市美術館へ。
[スイス現代美術展 リアルワールド−現実世界:title=スイス現代美術展 リアルワールド−現実世界]を見に行く。
市役所の中にある美術館なので、建物の面白さはないが、
しかし、この企画はすばらしい。
それほどメジャーではないものをしかも、こういっては何だが
地方都市の美術館が開催する。
こういうのを見ると世の中捨てたものではないと思ってしまう。
そして、内容もこれまたいいものだった。
スイスの5組の作家の作品を集めた展覧会で、
強烈なインパクトを残すような作品は無かったが、
にくいところをついた作品が多かった。
リアルワールドー現実世界という副題が、しかし、
まさにぴったりの表現であると思う。
いずれの作品にも共通して感じられたのが、
強烈な現実批評であったり、主張であったりするわけではなく、
現実を少し違う眺め方にして提示することで、
そこに実は潜んでいる違和感のようなものをあぶり出している
という印象である。
足りているような、不足しているような、
被害者のような加害者のような、
結局のところ、ただの存在でしかないと、
そういう現代がうっすらと浮かび上がるような感覚で、
強烈ではないが、ゆっくりとしみこんでくる、
そのような作品群であった。