Steven Wilson ソロとしては初来日だったんですね



Steven Wilson

今や、プログレ界のみならず、現代ロック界での重要人物となっているアーティスト Steven Wilson。Porcupine Tree の中心人物として知られるが、そのバンドの方の活動は休止状態で、ソロでの活躍やサイドプロジェクトが目立つ今日この頃。そんな Steven Wilson が来日公演で、六本木 EXホール、2日目に行ってきました。


良くしゃべる

意外と良くしゃべるという印象で、King Crimson のライブチケット買ったから、お金がなくて、今日のライブには来ないというファンとのトークを披露しながら、F○ck King Crimson と行ってみたのは、Gavin Harrison とはきっと関係ないですよね。
そんなお茶目なトークを絡めながら、そして、座りがちな日本のプログレファンをしかし、立たせて楽しませるという演出をして見せながらのライブで、シリアスな演奏だけではなくて、楽しめるライブでした。


ロックです

複雑な展開や変拍子などを交えての、プログレサウンドであるのだけれども、そのプログレ的な要素を表に出すのではなくて、あくまでロックバンドとしてのライブの楽しさを披露するライブ。ギターキッズがあこがれそうなギタープレイなんかも挟みながら、シリアスでダークな演奏を挟みつつも、全体はノリが良いライブの楽しさを存分に堪能させてくれるロックライブでした。


5人だけど

ほんと、5人で演奏してるんだけど音圧と一方でその音のクリアさが際立っている。誰もが凄いんだけれども、リズム隊は圧倒的だし、キーボードも多彩、もちろんギタープレイもかっこいいのに加えて、映し出せれる映像も印象的だから、一体どこを見たらいいのか悩むほどに見所の多い演奏で、もちろんいろんなテクノロジーが入っているとはいえ、5人でやっているとは思えない演奏。


インタープレイ

で、やっぱすごいのがインタープレイ。アンサンブルは完璧で、破壊的で、ノリまくれちゃうんですよ。もう、最高の演奏。途中からは、どこでどんな演奏状態になっているのかさっぱりわからなくなるのだけれども、しっかりと元に戻ってくると言う。


いや

いや最高のライブでした、はい。


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あの Mats Morgan がオーケストラと共に



Mats Morgan Band

盲目のキーボディスト Mats Öberg と ドラマー Morgan Ågren によるバンド Mats Morgan Band は、Rock in Opposition 系バンドとしても知られ、Frank Zappa 人脈でもある。
独特のリズム感と音響で、Jazzのようで、Rockのようで、独特であるサウンドを産み出している。


オーケストラ

そんな彼らが、オーケストラと帯同したライブ映像を含む作品が、Mats/Morgan Live with Norrlandsoperan Symphony Orchestra。
これを鑑賞してみました。なお、CDは、この映像の音源に加えて、スタジオ版の Through The Eyes of a Morgchestra が含まれている。


圧倒

オーケストラと帯同とは言え、いわゆるシンフォニックロック系サウンドではない、彼らなので、いわゆるオーケストラとの帯同ロックサウンドとはひと味違う。
Jazzな、Rockな彼らにさらに前衛音楽的な雰囲気がより色濃く、そして、格調高く響き渡るのがこの作品。
ある意味では、圧倒的な世界という雰囲気もあり、それは、馬鹿テクという意味ではなくて、なんというか、まぁ、圧倒的なんです。


ちょいと違う趣

その意味では、Mats Morgan Band の素のサウンドとはひと味もふた味も違う世界とも言え、このオーケストラとの協同により、新たな世界を切り開いていると言ってもいいと思う。
ミニマル音楽的な雰囲気も持ちながら、シンプルな音を反復的に積み上げていくようなそんなサウンドなので、縦ノリ要素は皆無。
むしろ、フックとチェンジアップの連続のような、ゆったりとはしているけれども、すこしずつ外していく展開が、やがて中毒的にも感じてくる。


超お勧め

その意味では、新たな音楽世界を求めるタイプの人に対しては、これは、超お勧めです。まさに、プログレッシブな世界。是非ご堪能ください。


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Hem
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マッツ&モルガン・ライヴ・ウィズ・ノールランズオペラン・シンフォニー・オーケストラ
発売元 : DISK UNION
発売日 : 2018-09-05 (3CD)
売上ランク : 164602 位 (AMAZON.co.jp)
¥ 3,758 通常1~2か月以内に発送
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霧がかった文体が構築する物語「最後の恋人」残雪



残雪

中国の作家「残雪」。霧がかった独特の文体で、夢ともつかぬような、おぼろげな世界を描き上げる作家。
その作家の「最後の恋人」と題する作品を読んでみた。


構築

残雪の作品は、どちらかというと絵画のようで、物語性は強くなく、何処かの何かをおぼろげに描き出しながら、一方でそこにある現実を浮かび上がらせるようなそんな作品が多かったのだけれども、この作品は、壮ではなくて、より具体的な情景が描かれる物語を持った世界として描き出されてくる。


しかし

登場人物は限られている。本が好きという以上にはそれほど得意な要素の無いジョー。そんな彼の会社を中心として、そこに関係する人物を経由して、世界中に飛び回る世界がそこから始まる。
しかし、さすが残雪だけあって、そう簡単には物語は進まない。一体何が議論されているのかもよくわからない世界に徐々に引き込まれていき、そして、そこに描かれる世界も、何処か、不可思議で、少し、マジックリアリズムの要素も感じさせる。
であるものの、マジックリアリズムほどはっきりとは物語は進まず、彼女らしい、カフカ的迷宮とも言える世界へと入り込んでいく。


そして

そして、世界はどんどん広がっていく同時に、登場人物は、まるで溶けていく。ベケットの登場人物であるかのように、不思議な行動とそして状態に変化していく。それと共に、描かれる世界もまた、溶けていく。
具体的には何がそこい描かれているのかは、どんどんと不明確になっていき、世界は溶けていく。


社会

その溶け込みようには、どこか、関係性をもとに構築される社会に対して、別の次元で存在しているとも言える個人。その個人の価値と社会の価値の狭間にある、圧倒的な差異が言及されているとも感じられる。
社会という関係性における価値の一方で、個人が帰依する世界の価値とは。この世界の持つ整合性のなさという意義が世界を引き込んでいく。社会という相対的関係性の中では、結局何一つ満足出来るものは得られず、一方で、個人に帰依してしまうことには、心地よさもあり、だけれども、個人に帰依しすぎると存在は溶けてしまい、存在ではなくなってしまう。


深く

なんとも意味不明な作品が、絶対的価値に対するアンチテーゼのようでもあり。いろいろとな想いをめぐらせることの出来る面白い作品です。

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かつて描かれたことのない境地 - 平凡社
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最後の恋人 (残雪コレクション)
発売元 : 平凡社
発売日 : 2014-02-20 (単行本)
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¥ 3,132 在庫あり。
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最強のバンド Marillion 再来日公演2018



Marillion

英国の秘宝、プログレ第二世代という不遇な存在でありながらも時代を彼らなりに切り開いて、現在もなお、活発に活動を続けているバンド、Marillin。昨年、超絶奇跡の来日公演を果たし、しかも、圧倒的なライブパフォーマンスが話題でもあった彼らが、今回は、1年という短いスパンで戻ってきての来日公演。しかも、今回は大阪公演付き。
で、東京の第一日目に行ってきました。


いきなり

いきなり、観客席右ドアのあたりから、Hogarth が登場するという演出に加えて、いきなり圧倒的なボーカルパフォーマンスを見せつけるというサプライズで、一気に、会場はヒートアップ。


圧倒的

そこからは、圧倒的な世界の連続。選曲的には、過去のベストな構成。
そして、圧巻は、White Paper からの、あの名曲 Beautiful。こりゃ涙を浮かべずに聴くなんてことは不可能ですというぐらいの感動的な展開。


安定した

そして、そういた世界を支えるのは、なんと言っても安定した演奏。テクニックを見せつける系の演奏も、それはそれで好きだけれども、このMarillionは、その描き出す世界にしっかりと浸らせてくれるぶれのない安定した演奏が総てを支えている。この演奏の安定感のおかげで、Hogarth のボーカルを中心に描き出す世界がより美しく、そして、その世界に入り込むことをサポートしてくれる。


すごかったです

ということで、再びやってきた彼らは、結局約2時間半のステージで2度のアンコールをこなすという凄いライブパフォーマンスを見せてくれました。
そして、なにより、あんな曲もこんな曲も聴けて、大変満足なライブでした。


関連リンク:
marillion.com | The Official Marillion Website
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Marilion 来日(AMAZON.co.jp)
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All One Tonight [Blu-ray]
発売元 :
(2Blu-ray)
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伝説の異形のフェスティバルの映像作品



R.I.O.

商業的音楽とは完全に一線を画して、独特過ぎる音楽を作る音楽活動 Rock in Opposition。そんなサウンドを作るバンドで行われた伝説のフェスティバルが、 Rock in Opposition Festival。この伝説のイベントは、2007年に復活すると、なんと、2014年には、日本でそのフェスティバルが開催されるという奇跡が起こった。
その様子を納めたライブDVD、その名も「ロック・イン・オポジション・ジャパン・フェスティバル2014」がリリースされたので鑑賞しました。


日本のバンドも

日本開催と言うこともあり、海外のバンドに加えて、日本のバンドも多く参加するフェス。る*しろう や、高円寺百景 といったバンドも参加していて、正直言って、こういったバンドは知っていたけど聴いたことはあまりなかっただけに、こうやって、見てみるとそのすごさに改めて、驚かされた。


そして

そして、海外からのバンドも多数参加 PICCHIO DAL POZZO や、Mats/Morgan band など、その筋では有名どころも。
そんな人たちが、やる演奏が、また当然ながら次元が違うというのか、馬鹿テクという次元では語りきれない、独特の世界感を独特な演奏で表現していく。正直言って、ここでしか体験出来ない独特な世界。通常の音楽体験では味わえない何とも言えない世界は、間違いなく個々にはないそれ。


すごいです

あらゆる意味で凄すぎる世界ですが、その運動の言葉通り、万人に受けるものではありません。異形の世界を体感したい方は、是非見ていただければと思います。

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RIO - Home
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ロック・イン・オポジション・ジャパン・フェスティバル2014(AMAZON.co.jp)
ロック・イン・オポジション・ジャパン・フェスティバル2014(Google)
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ロック・イン・オポジション・ジャパン・フェスティバル2014 [DVD]
発売元 : Arcàngelo
発売日 : 2018-06-27 (1DVD)
売上ランク : 81400 位 (AMAZON.co.jp)
¥ 3,283 在庫あり。
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こっちのほうが本家っぽい ARW YES



YES

言わずとしれたプログレ四天王の一角 YES.遂に50周年を迎えるバンドになるのだけれども、昔からメンバーチェンジの激しいバンドとしても知られる。そんな彼らは、現在も実質少なくとも二つのYESが存在していて、YESそのものの名前を名乗る Steve Howe, Alan White の他に、Geoff Downs と Billy Sherwwod という本家に中途参加メンバーで構成されて、さらにボーカルに もう一人の Jon Davison によるバンドが存在する一方で、今回紹介する、Yes は Yes と名乗らないものの、本家に近い Jon Anderson Rick Wakeman Torevor Rabin によるバンド。
ある意味、両方のバンド共に、黄金期メンバーに中途参加メンバーが加わるというたすき掛けのような構成成っているのは面白い。
そんな YES Featuring Anderson Wakeman Rabin によるライブ映像作品 Live At The Apollo を見てみた。


Yes Featuring

ということで、その Featuring のほうの YES だけれども、すでに来日公演を行っていて、そのライブを経験済みな方もいると思う。
実は、現在の YES のほうは、あまり興味が無くてライブ版なども入手していないのでわからないのだけれども、おそらく、この YES featuring のほうが、演奏は圧倒的にいいと思う。


曲目

曲目は、Rabin期の90125 YES の作品に、黄金期の作品を絡めた作品構成。これが、ミックス具合と言っても、この二つの時期が、YES の二つのピークと言えるところもあり、楽曲の安定感は高い。


演奏

そして、演奏は、相変わらずテクニックの高い Rabin と Wakeman に加えて、安定のリズム隊 Lee Pomeroy と Louis Molino III なので、安定感と緊迫感、疾走感は圧倒的。
そして、Jon Anderson のボーカルもとても安定している。


これはいい

正直言って、これはいい。いいとしかいいようがないほどいい。
YES ファンにとっては、懐メロ以上の価値が十分にある演奏。
ぶっちぇけてしまえば、こちらのほうが本家 YES を名乗るべきではと思うほどでもある。


いずれにせよ

まぁ、とはいえ、どっちが YESか?なんて、議論はせずに双方の YES を楽しめばそれでいいとも思います。
Fly From Here 単発とはいえ、Drama Yes というのもまた存在しているので、まぁ、何かと楽しめます。


関連リンク:
Yes featuring Jon Anderson, Trevor Rabin, Rick Wakeman | Just another WordPress site
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ライヴ・アット・ザ・アポロ 2017【初回限定盤Blu-ray+2CD(日本語解説書封入/日本語字幕付)】
発売日 : 2018-08-24 (3Blu-ray)
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¥ 7,508 在庫あり。
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Live が益々すごい、Haken はど傑作です



Haken

英国の新世代プログレバンド Haken。長尺な曲をシアトリカルに演じきるスタイルは往年のプログレを思わせる一方で、転調に次ぐ転調をしかも、意表を突いた構成で聴かせつつ、それを馬鹿テクで演じきるあたりは、今までにない新世代サウンドをも産み出しているバンド Haken。
アルバムでもその力を存分に発揮していたけれども、そんな彼らのライブ映像作品 L-1VE がリリースされたので鑑賞しました。


すごい

映像作品は、二枚組の構成で、本編一枚目が単独ライブ。こちらは、比較的小さな箱でのライブ演奏。もう一つは、Prog Power 2016 からの映像で、こちらは、フェスと言うこともあってすこし大きめの会場での演奏。
で、どちらもなんだけれども、とにかくライブが凄すぎる。
あの構築美を持ったアルバムだけに再現が難しいのではと思われたのだけれども、そんな不安などどこ吹く風、演奏は完璧を通り越して、アルバムではあまり見られないダイナミズムが存分にあって、まぁ、凄いという言葉しか出てこない。


転調につぐ

彼らの楽曲の特徴でもある転調に次ぐ転調も一糸乱れぬアンサンブルのまま駆け抜けていくし、さらには、演奏だけではなくて、全員が歌えて、見事なコーラスワークまで決めてしまう。さらには、そのコーラスワークでは、Gentle Giant を思わせるような複雑な展開までも完璧に歌い上げ、演奏し尽くすのだから、圧巻。


ヘヴィネス

そして、ライブでさらに感じるのは、そのヘヴィネス。メロディアスな楽曲をハイトーンで歌い上げるボーカルの表現力も凄いのだけれども、そんなメロディアスな要素に加えて、演奏そのものは、特にとても深いヘヴィネスの世界へと突入もしていく。しかも、このヘヴィネスが良く聴いていると拍子が訳がわからなくて、もう、リズムとることすら困難な展開。


難解

そう、楽曲が難解すぎて、聴いている側が迷子になってしまいそうなそれ。なんだけれども、それが完璧に演奏されてしまうのだから、恐るべし。複雑な拍子と転調が、しかし、ぴったりと決まってしまうという。
正直言って、演奏力としては、ここまでのものを持っているとは思っていなくて、どちらかというと、メロディー勝負のバンドと思っていたけれども大間違い。とにかく、演奏力にたけている上に、さらにメロディーも良いという完璧さ。


そして楽しく

しかも、ライブとしての楽しさのある演出もふんだんにあって、もう何度も言うけれども、完璧としか言いようが無い。
総てのプログレファン、プログレメタルファンに聴いて欲しいそれ。
傑作です。


関連リンク:
HAKEN | HAKEN announce fifth studio album "Vector" and launch fan etching competition | HAKEN
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Haken L-1VE(Last.fm)
Haken L-1VE(YouTube)
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L-1VE
発売元 : INSID
発売日 : 2018-06-22 (4CD)
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