味のある硬派 NYX はイタリアから

NYX

NYXはイタリアのトリノで2001年頃から始まったプロジェクトで、Walter F. と Danilo A. Pannico という二人の人物によるもの。
で、その2枚目のアルバム "down in shadows" を聞いた。

ゲスト

ちなみに、このアルバムの注目の一つは、ゲストミュージシャンとして、Trey Gunn とそれから最近いろいろなところで良く活動している VDGG のDavid Jackson が参加しているところ。

堅さと味わいと

デジタルサウンドも使いながらのヘヴィーでクールな演奏で攻め続けるのかと思わせる強烈なオープニングに始まるのだけれども、それだけで進んでいかないのがこのバンドの面白さ。ゴリゴリ演奏ばかりかと思いきや、アコースティックなサウンドが入り込むなど、意外とうまく力を抜く。しかも、ヘタウマ系のボーカルスタイルなので、むしろ、イタリアらしい味わいが聴けば聴くほど深く出てきて面白い（歌詞は英語だけれども）。激しく複雑なインストを聴かせるバンドは多いのだけれども、そこに味わい深さを加えているこのバンドのスタイルは独自。
そこにまた、David Jackson のサックスが入る曲では、さらに情熱深さが深まってすばらしい。

すかっとします

所々に使うフレーズには、最近のKing Crimson のような要素も感じるのだけれども、どちらかというと、最近のヘヴィーロック的プログレのイタリアからの回答というのか、ヘヴィーロックの系譜とイタリア特有の熱いジャズロックの系譜が交差してデジタル的要素をまぶしたという印象。
オーバーダブなんかも駆使しながらなのだろうけれども、非常に分厚い音にできあがっているし、パーカッションの入り方が効果的なサウンドも聴ける。このあたりは、ヘッドホンで聴くとよりよくわかる。そう、オープンエアーのヘッドホンで大音量ですかっと聴くとととても心地よいそんなサウンドです。