Mars Volta の Omar Rodriguez Lopez の Cryptomnesia

前夜

さて、まさに新作がリリースされようとしている Mars Volta の中心人物であるギタリスト、Omar Rodriguez Lopez の数あるソロ作品というのか、プロジェクト的作品にまた、さらに一ついつの間にか加わっていて、 El Grupo Nuevo de Omar Rodriguez Lopez という名義で Cryptomnesia という作品がリリースされていたので聴いてみた。

メンバー

ボーカル入りの作品で、ボーカルは、アイボーの Cedric Bixler Zavala。ここに、またすさまじい叩き方をする、ドラマー Zach Hillなどなどが加わって、5人編成バンドとしての作品。

Mars Volta的

まぁ、ボーカルが、Cedric Bixler Zavala であることもあってか、全体的な雰囲気は、Mars Volta のそれに近い。Mars Volta ほどは構築されていなくて、よりインプロに近いのではと思わせる印象がする。その分、荒削りな混沌がそこにはあって、かなり力強い。

ドラム

Omar のギターの混沌ぶりは、それは、いつもながらで当然として、そこにさらなる混沌を付け足すのが、Zach Hill のドラム。テクニカルであるといことを通り過ぎて、とにかくたたきまくるその様子は、Omar のギターと見事にマッチしていて、何とも言えない混乱が心地よい。

やはり、ボーカル

で、ただ、一方で、この混乱がただの混乱ではなくしているのが、Cedric のボーカル。バックが、あらぬほど複雑怪奇な演奏をしているのだけれども、ボーカルラインは、早口でまくし立てるスタイルではなくて、むしろ、ゆっくり目のリズムをキープして、背後のスピード感とのズレをうまく作りながら、しかし、ハイトーンに響き渡るので、そこには、二つの相異なる世界感が、しかし、不思議な一体感になるという、Mars Volta でもみせるこの見事な音楽世界を作りあげている。

短いです

そんなハイテンションなアルバムなのですが、それを聴き込んでいると、突如コミカルなちょっとした楽曲が挟まれて、あれっ、と思うと終了しているという、実は36分程度の短いアルバムです。とはいっても、まぁ、ここまでハイテンションに展開してくれれば、そして、輸入盤の安さを考えると、十分に満足な作品です。
あぁ、しかし、早く Mars Volta の新作届かない物かと思ってしまいます。