ヌーヴォー・ロマンを代表する作家 ロブ=グリエ氏 死去



R.I.P

サミュエル・ベケットナタリー・サロートなどと共に、ヌーヴォー・ロマンを代表するフランスの作家、ロブ=グリエ氏が亡くなった、85歳。


テキストの意義

情緒的な物が否定されて、深層心理が重要視され始めた時代がかつてあった。美術は、抽象化していき、音楽も現代音楽と呼ばれる形態へと移行し、映画でも、ヌーベル・ヴォーグが、演劇では、ヌーヴォー・テアトルが、そして、文学の世界では、アンチ・ロマンを通り過ぎて、ヌーヴォー・・ロマンへと至った。このヌーヴォー・ロマンとは何かを語りはじめると、なかなか簡単ではないので、文尾につけているリンクを参照していただき対ところだけれども、ただ、物語を語るのではない文学作品が生み出された時代である。
個人的には、そこで重視されるのは、単純な物語の継続性よりも、感情の揺れ動きであったり、多面性をもつ行動意識であったりといった事だと思う。そして、そこでは、圧倒的にテキストそのものが何を表現しているのかが重視されていると私は捉えている。


そんな作家が

そして、そのような作家が亡くなった。時代の変化と言えば、それまでだと思う。そして、多分、現在社会では、このようなタイプのテキストが新たに世の中に出ることはないと思う、例えそういった物を出力できる人材がいたとしても。それは、今がそういう時代だからしょうがない、そのような作品に対する要望と鑑識眼を持つ読者層が無ければ成り立たない。
現に、ロブ=グリエ氏の作品も、今は廃盤になっている物が少なくない。悲しいけれども、それが現実だし、そのような現実を前にしたときに、個人の意識はあまりにも弱々しい。ただ、こうやって、ブログに書くことしか出来ない。いや、やろうと思えば、もっといろいろとあるかもしれないけれども。


いずれにせよ

残念だと思いながら、それを時代の流れとして受け入れるだけの自分自身の弱々しい感情を呑み込みながら、悲しいかなだけれども、氏の死去を機に、氏の作品が再発されることを望んでみたりもする。


関連リンク:
CNN.co.jp:仏作家、アラン・ロブ=グリエ氏死去 85歳
dLINKbRING.Literature.アラン・ロブ=グリエ
dLINKbRING.Labo.dicmulsearch.アラン・ロブ=グリエ
dLINKbRING.Labo.dicmulsearch.ヌーヴォー・ロマン
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