Flower Kings より、悪を超えて : The Sum of No Evil

1.新作
さてさて、スェーデンを、そして、1990年代以降のプログレッシブロックを代表するバンド、The Flower Kings の2007年新作 ”The Sum of No Evil” がリリースになっている。

2.ファンタジック・ロック全開
前回の作品で、彼らの大本の特長であったファンタジック・ロックへの回帰を果たしたのだけれども、今回のこの作品では、再びそのファンタジック・ロックを加速させて、新たな次元へと展開している。

3.大人のファンタジック・ロック
言うなれば、大人のファンタジック・ロックと言う感じ。インタープレイに魅せるハードロック色やジャズ色は、一時Flower Kings が指向した傾向なのだけれども、それをうまくファンタジック・ロックの中に消化している。
だから、単に綺麗なだけのファンタジック・ロックではなくて、聞き所が随所にあるし、スピードやカラフルさだけで押すのではなくて、ゆったりとしたパートに哀愁を含ませて聴かせるような事もする。だけれども、一方で、遊園地にでも来たかのようなメリーゴーランド的サウンドで、ファンタジックを演出したりもする。

4.大作指向
そして、大作指向も深化していて、13分程度の曲が3曲に25分近い曲を1曲含んで、5分と6分の曲がそれぞれ1曲ずつ。大作の中で様々な曲展開を見せながら聴かせるというスタイルで攻めてきている。
このあたりも、一時期そういう傾向から離れていただけに、ここにきて、もう一度こういうパターンを聴かせられると、なんだか新鮮にも感じてくる。

5.名作
これは、なかなか名作だと思う。ここ数作悪くはないけれども、もう一つ何かが足りない気がしていた Flower Kings だけれども、このアルバムは、文句なく名作と呼べる出来。

関連リンク：
dLINKbRING.Music.Flower Kings
www.myspace.com/cosmiclodge
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