大回顧展モネ 印象派の巨匠、その遺産 : 国立新美術館



1.国立新美術館
六本木に新しくできあがった国立新美術館で開催中のモネ展にいってみた。ちなみに、この国立新美術館、ガラス張りで曲面な外観がいろいろと話題なのだけれど、実際に美術館に行ってみると、歩行者の視点からだと全体像を見る事が出来なくて、地上から見た外観がいまいち。これ、ちょっと失敗じゃないのって思ってみた。


2.回顧展
回顧展で、若いときから晩年まで、その作風の一貫性と変化が見る事が出来る。


3.光
あらためて、モネの絵ってすごいなって印象。モネというと、”光”だけれど、そのとおりというのが実物を見ると改めて感じた。特に、水色とピンクによる光の表現。なんとなく、ピンクが光として、水色が影として描かれている印象。遠くから眺めるとこのピンクが際だって見えてきて、光の印象がさらに強くなるし、影が灰色ではなく、水色を使って描かれていて、影にも明るさがある感じ。


4.細かい色
それから、モネの描き方の面白さって、点描的に思わぬ色が混ぜられているのだけれど、これが見事に光と影を描く感じになっていて、近くで見るとわかりにくいのだけれど、遠くから見ると、立体感に変化してくる。


5.水面
モネというと睡蓮だけれど、今回も睡蓮がいくつか展示されている。これ、改めて見ると、その面白さって、水面の平面とそこに写り込む立面の交錯。自然を描いているようだけれども、幾何学的な面白さが隠れているし、水面だけを描いているのだけれども、写りこみという形で地上の風景も描き込んでいるという面白さもある。その他の絵でも、水面への写り込みを描いた作品は多くのったのだけれど、そこからあえて水面だけを描くという選択をしたのがすごいと思う。


6.抽象へ
モネの絵ってとても、具象だけれども、具象から抽象への変化の過程が理解できてくるような気がする。風景をどのように絵の具の色へ変化させていくか、それをどの形状にするか、光をどのように表現するか。初期の作品などは特に、確かに見事に風景になっているのだけれど、それが実は細かいところまで描き込まれた形状として表現されているのではなくて、絵の具の交錯のみで表現されている。それが後期になるとより大胆になってきて、いくつかの色の固まりによる表現で風景を描くように変わる。中には、実際に抽象画として捉える事しか出来ない作品までも登場してくるというこの変化は、まさしく具象から抽象への展開が見えてくる。


7.モネではない作品
この展示の面白いところは、モネの回顧展ながら、ポイントポイントで他の作家を紹介しているところ。紹介される作品は、抽象的な作品。モネの絵の特徴との関連性も一応解説されている。


8.ちなみに
モネの睡蓮は、瀬戸内海にあるアートな島、ベネッセアートサイト直島にある地中美術館にて常設展示されている(今回はのモネ展にはこれらの作品は来ていない)。


関連リンク:
dLINKbRING.Art.国立新美術館
MONET 大回顧展モネ ―国立新美術館にて開催!―
dLINKbRING.Labo.dicmulsearch.クロード・モネ
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