大竹伸朗全景:東京都現代美術館



1.全景
さて、木場公園の横にある東京都現代美術館。いろんな駅から行けるけれど、どの駅からもそれなりに遠いというのが泣きどころ。
そこで、現在開催されているのが、大竹伸朗展。全フロアを使い切るという大規模な展示。


2.膨大
少年期から始まって、種々雑多な、まさに種々雑多な作品が大量に展示されている。作品のタイプも様々、スクラップブックあれば、絵画もあれば、立体もあれば、CGもあれば、ネオンもあれば、音楽もあれば、絵本もあれば。


3.エネルギー
よく、評判としては、エネルギーを感じたというのをきくけれど、まさにそういう感じで、あの膨大感と種々雑多感は、評論を超えているというか、有無を言わせないものがある。
ただ、それは、説得力があるという感じではなくて、なんというのか、とにかくアウトプットすることの大切さというのか、何がどうだなどと言っている暇があれば、何か作ってしまえという、そんなエネルギーのように感じた。
(あくまで私がそう感じただけなので、実際には非常に深い思考の下に練りに練られた作品なのかもしれない。)


4.個々の作品
個々の作品でいっても、それぞれに面白い。だけれども、それぞれの作品をそれぞれだけで見たとしてどうだろうと思うと、圧倒的な感じはしないような気がする。やはり、全景であることの意義を感じする。


5.現在的全景
そういう意味では、とても、現在的な印象がする。とにかく、猛烈に走ることが、かつての猛烈世代とはまた違う形で、求められている現在の社会があって、しかもその生産物に対しては非情なほどにクオリティを要求される。それに対して、とにかく生産するということ、そしてそれを提示するということというのは、その全体の行為そのものが、この現在に対するアンチテーゼという感じがする。その意味では、このように全景という形で展示したと言うことも非情に意味深いというか、的を射た展示だと思う。


6.パンクというか
この圧倒感が、批評を寄せ付けないところがあって、その前にひれ伏して、エネルギーにやられたといわざるを得ないという結果に導かれるのだと思う。こういう展開も美術にはあるのだなという感じ。
だけれども、これを超えて進んでいかなければならないというところがあるような気もする。しかし、その回答が見いだせない現状に対しては、圧倒的な圧力で抵抗するしかないのかもしれない。


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