ZIDANE



1.さて、夏休み
先頃、大いなる話題とともに引退したフランスの英雄ジダン。その彼を追った映画”ZIDANE”、シネカノンにて公開中(〜2006/8/18、8/19〜レイトショー)


2.概要
監督は、現代美術系の人たちで、Douglas GordonとPhilippe Parreno音楽は、MOGWAI。内容は、あるレアルマドリッドでの試合一本をZIDANEのみに注目して撮影したもの。なので、純粋なサッカーの映画ではありません。


3.詳しく
3.1大まかに
さて、前後半45分のサッカーの試合をほぼ全てZIDANEのアップで構成している。部分的にサッカー中継そのものの映像が入ったりはしますが、基本的にはサッカーの試合そのものは関係なし。で、この映画は何が面白いのか。
3.2全体と要素
というと、まずは、11人対11人というサッカーという競技の全体に対して、要素でありながら、メインである選手のうちの一人だけを注目すると言うこと。美術的にはよくある手法でもある異なる視点という要素。
3.3音
また、そこに音として、観客・中継・選手の音・選手の声・選手の息づかい・MOGWAIによる音楽が絡んでくる。この音の構成がまた面白い。実際選手の立場からすれば、試合に集中しているが故に、聞こえる音、聞こえない音というのはマイクで拾っている音とは異なるということもあるだろうし、ということも重なる一方で、また、MOGWAIの音楽が絶妙に効いている。どんよりとした音で過剰に画面に対して主張もせず、かといって、ただのバックグラウンドとはちがい画面の雰囲気にある程度の影響を与えるという。


4.誰が好む?
そんなわけで、誰が見ると楽しいのだろうというのが難しいところ。まずは、普通のサッカー好きが見ても面白くないと思う。
4.1プレイヤーであれば
ただ、ある程度プレー経験があると何とかおもしろみがあるかもしれない。サッカーって、結構ボールをさわる機会がなかなかなかったり、常に試合の中心にいるわけでもなく、というところがはっきりとわかるし、そのボールがこないときの様子として、つま先を引きずりながら歩く癖が捉えられているところは、結構プレイヤーであれば共感を感じると思う。
4.2映画好き
かといって、映画好き向けというのでもないと思う。なんせ、ZIDANEを永遠ととっているだけ、なので、ミニシアター系を好むとしても、これが好むかどうかは?
4.3アート好き
まぁ、監督が現代美術系だし、音楽もMOGWAIとくれば、アート好きにもってこいなのだと思う。映像的にも面白いし、音の配置の仕方も興味深い。
4.4できれば
それに加えて、出来ればサッカーをそれなりにプレーした経験があるとなおさら楽しめると思うが、そこまでくるとターゲットが絞られすぎてしまうか。


5.サッカー的に見ると
サッカー視点で見ると完全に割り切ると楽しめる。やっぱり、うまい、得にトラップ。それから、後悔の固まりになるサッカーの特性がよくわかるというか、試合中実際にはあまりボールにさわる機会はなくて、しかも、何とか裁くというようなボールしかこないこともしばしば。そんなサッカーの特性がよく現れてきていると思う。これは一人だけを捉えることによって、逆にうまく特性が浮かび上がることを見事に表明していて、視点を変えることの意味が出てきているともいえる。


関連リンク:
ジダン 神が愛した男
MOMA Douglas Gordon
Philippe Parreno
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